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第10話-10

「あれ? これ以上は硬くならないのか? ねぇ五十嵐さん」 「むりっ……も……むりっ」 「じゃあ中のほうも一緒にしましょうか」  硬くなった欲望が知られたばかりの場所を容赦なく擦ってくる。 「ひっ……ああああっ」 「あれ、硬くならない」  不満げな声が落としながら、それでも手も腰も動きを止めない。 「いっぱい……いったから……むりっ」  だからもうやめて欲しい。これ以上は経験がなくて怖い。思春期の頃だって半日の間にこんなにも達ったことはない。何度達けば許されるのだろうか。 「え、でもさっき一回しか……ああ、そういうことですか」  ギュッと分身を掴まれ悲鳴を上げた。 「そいつにされて何回達ったんですか」 「しらっな……!」 「覚えてないくらい達かされたんですか……腹立つな」  腰の動きが小刻みになる。 「ああああっ!」 「ねえ五十嵐さん、もうこういうこと俺とだけにしてください……でないとこれ、潰しますよ」 「いたっ……する、するからも……痛いのやっ」  痛みと快楽にまた涙が零れてくる。整理できない頭のまま、言われた通りの言葉を返すしかなく、与えられ続ける快楽にまた頭がおかしくなっていく。もう遥人が何を言っているか、なんと返しているのかもわからないまま、過ぎる快楽に押し流され沈んでいく。 「もうそいつに会わないでくださいよっこうして良いの、俺だけっなんですからね」 「うん、うんっきみだけっ」 「他のもっ全部っ俺にだけっ……わかりますかっ」 「わかっ……ああああっ」  そしてどのように終わったのかもわからないまま、意識を飛ばすのだった。

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