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第19話-3
知られたくなかった。胸の粒を弄らないと達けない淫らな身体になってしまったなんて、彼にだけは知られたくなかった。しかも遥人がいつもしていたのと同じやり方で自分を昂らせては彼の名を呼んでいた自分を知られたくない。自分から離れたくせに忘れるどころか一層想いが募って自分を慰めるために過去のセックスを思い出しては同じ手順で自慰していたなんて知られたら、絶対に恥ずかしすぎて高血圧で脳溢血になる。
「ねえその時、俺のこと、思い出してくれました?」
なぜそんな恥ずかしい質問ばかりするんだ。達きたいのに達かせてもらえないばかりか、羞恥プレイをさせられているようで涙が溢れてきた。
「俺はしてましたよ。隆則さんの気持ちいい時の顔を思い出して、何度も。『もう出ない』って泣きながら腰振ってた可愛い隆則さんをずっとおかずにしてました」
「なっ……なんでそんな恥ずかしいこと言うんだよぉ」
「恥ずかしくないです。俺ので気持ちよくなる隆則さんが一番興奮するんだから、しょうがないです。だから教えて。隆則さんは俺のこと思い出してました?」
「……してた」
「その時の俺は優しかったですか? それとも意地悪でした?」
「両方……どっちの遥人も好きだから……」
沈黙が漂い、遥人がまた溜め息をついた。
「まったくあなたって人は……風呂あとにしましょう!」
「え?」
ここで止められるなんてっ……。あと少し刺激されたらすぐに達けるのに。
悲壮な表情で顔を上げた隆則が見たのは、獰猛な獣の表情だ。
「来てっ!」
二の腕を掴んで立ち上がるより先に引っ張られる。リビングを横切りそのまま遥人の部屋へと連れていかれる。
あの時からその空間も変わってはいないが、それを確かめる余裕は隆則にはなかった。ベッドに投げ出されマットレスの上に転がされた隆則のベルトを器用に外し、すぐに下着ごとトラウザーズを脱がされ、遥人の眼鏡と一緒に扉の方まで放り投げられた。
「めちゃくちゃ優しくしようと思ったのに……どうして俺を煽るようなこと言うんですかっ」
「煽ってないっ」
「隆則さん、無意識に俺を煽ってるんですよ。どっちの俺も好きなんて……そんなこと言ってたらまた立てなくなるくらいやられても文句言えませんからね」
「そんな……」
何度も達って双球が空っぽになっても突かれ続けておかしくなるのだろうか。想像しただけで恐怖に思うより先にあの瞬間に味わった痺れが沸き起こり、それだけで我慢し続けた分身がシーツを白濁で汚した。
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