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第19話-6

 自分の快楽を追っているようで確実に隆則の感じる場所を突いてくる。愉悦の音楽を吸い取られ部屋の中は肉のぶつかる音が響き渡った。久しぶりなのに容赦ない腰の動きに、すでに一度達ったはずなのにまた身体の間で分身は固くなり先走りの蜜を遥人の腹筋へと擦り付ける。  気持ちいい。  激しすぎる快楽なのに、強引に容赦なく求められるのが嬉しくて、何度も身体の奥を走る電流のような痺れに翻弄されながら、短時間でまた蜜を放ち、最奥に大量の蜜が放たれたのを感じながら弛緩していった。 (二回も続けて達っちゃった……)  こんなにも短時間で達ったのは久しぶりで、指先が動かせないほど疲労と充足感が広がっていく。遥人に抱かれた悦びに満たされた心はもうこの幸せなまま眠りにつきたいと微睡を全身に行き渡らせた。本能のまま瞼を閉じようとした隆則を、けれど遥人は許さなかった。 「まだ応えて貰ってないんですから寝かせませんよ」 「ひゃっ!」  肌着の上から胸の粒を摘ままれてひしゃげたカエルのような声を放つ。もう終わりだと思っていた身体に与えられる快楽に思わず欲望をきついまでに締め付けてしまう。 「ねぇ隆則さん……どうしてここ緩かったかまだ教えてくれてませんよ」  ここ、と繋がったまま腰を振られまた甘い声を上げてしまう。 「い……言わないとだめ、か?」 「ダメです。俺以外のを挿れていたんですね……返事次第でまた酷くしそうだ……」 「うっ……いう、言うから……」  けれど口にするのが恥ずかしい。もう絶対に遥人に抱いてもらえないと思っていたからあんな淫具を買って、しかも一年半もそれで自分を慰めていたなんて。どう濁して言えばと考えようとするが、急激に二度も達った後では頭が回るはずもない。 「お……もちゃ」  なるべく視線を避けながら短い言葉で告げたが、許してもらえるはずがない。 「どんなの? 俺のよりも太いヤツ?」 「ちがっ……」 「教えて、隆則さん」  わざと優しく問いかけて、言えない隆則の罪悪感を掻き立てていく。 (ずるい……)  まるで隆則が悪いかのように言われて素直に言葉にするしかない。 「……透明で……すこしデコボコしてる……」 「なんでそんなの買ったの?」 「約束したから……遥人とだけって。でもあんなにしてたから寂しくて……」

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