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第20話-4

 気持ちいいくせに嫌がる言葉を奏でる口を、塞ぐよりもそれすら言えなくなるくらい感じさせたい。浅い抽挿で欲望の先端があそこを擦るように何度か揺らした後に深く繋がることを繰り返せす。感じる場所を抉られるたびに隆則は仰け反り、赤く染まった喉元と恍惚とした表情を遥人に見せては無意識に煽ってくる。 「本当に隆則さんはっ……感じてる顔、色っぽすぎるんですっ!」  己がどれだけ遥人を煽ってやまないか知らないだろう。無垢な外見なのにこういう時だけ色っぽくてそのギャップにやられてしまう。怯える姿すら遥人の支配欲を煽り、セックスの時は容赦なく欲情を掻き立てていく。 (全くこの人は……)  どうしてこうまで自分の望んだ姿でいられるのだろうか。  その姿に煽られてしまう遥人はどんどんと抽挿を激しくしていく。 「やっも……むり、いく……」 「達って……くださいっ」  あの絞りつくすような締め付けを味わいたくて動きを激しくしていく。  眦に涙を滲ませながら最後の一瞬に身体をこわばらせ、自分の腹を蜜で汚す隆則を見ただけで我慢できなくなり、搾り取るように締め付けに遥人も最奥へと己を解放した。最後の一滴まで吐きつくし、倒れ込んできた隆則を抱きしめた。  やはりこの人を愛してやまない。自分の全てをこの人の中に吐き出して受け止めて貰いたい。もっともっとと欲張って抱きつぶしてしまうのだ。  今もその欲求から抜け出せなくて、達ったばかりで弛緩している隆則をソファに腰かけさせまた抱きつくそうとする。 「……今日も帰せませんが大丈夫ですか?」 「え……なに?」  またされるのかと慄く隆則にわざと優しい笑顔を向け喘ぎすぎて乾いた唇に口づけながら問いかける。 「いつ戻ってきてくれますか……早く決めてくれないと隆則さんを解放する自信ないです」  またしても縛り付けてしまいたくなる幼い自分が顔を覗かせる。 「……うん」 「早く帰ってきてください」 「……分かってる」  またこの部屋で一緒に生活できる喜びに胸を震わせながら、下肢がまた熱くなる。 「はると? え?」  遂情したばかりの隆則の中は収斂して心地よい。甘く強く締め付けてくるから抜くのがもったいなくて、それを味わっていればすぐにまた大きくなっていく。 「また付き合ってください」 「き……昨日もそう言って……」  昨夜のことを思い出したのか一度治まった頬の赤味がまた増していく。  もういい大人なのに上手に隠せない所も可愛くて、キスで誤魔化してからソファに腰かけ縁に両足を乗せた隆則を啼かせ始めた。

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