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番外編-酔っ払いと甘い言葉と可愛い人-9
アルコールでいつもよりも素直な隆則にのめり込み、遥人はなかなか放してやることができなかった。
もう立てなくなった隆則をシーツに横たえても、前から後ろから抱きしめては激しく腰を打ち付け啼かせ続けた。
ぐったりとシーツに沈み声すら上げられなくなってから、最後の蜜を吐き出したのは、空が白くなってからだった。
「あんまり可愛い事ばっか言ってるとこうなるんですよ、わかりましたか?」
返事すらできなくなった唇を塞ぎ、舐めてから力を失った欲望を抜いた。しどけなく開いた足の間から蜜が垂れていく。
こんなに出しても、まだ足りない。もっともっとこの人を愛したい。
けれど今日はこれでおしまいだ。
意識を飛ばした隆則を抱きしめ、その心地よい体温を味わってから遥人は起き上がった。身体を壊さない様、全てを清め服を着せてやるために。
◇◇◇
痛い。とにかく頭が痛い。
珍しく元後輩が誘ってくれた打ち上げに、乗り気ではなかったが参加したせいだ。元々アルコールに弱い隆則はあまり酒を嗜まないが、無理矢理飲まされてしまった。
その結果がこの二日酔いだ。
頭がガンガンして気持ち悪い。
「大丈夫ですか、隆則さん」
ベッドから起き上がることもできない程の二日酔いに苛まれている隆則を、なぜか遥人は嬉しそうに甲斐甲斐しく世話を焼いてくる。彼に怒られるかもとビクビクしながら断れない飲み会へ参加したにもかかわらず、だ。
「だめ……頭痛い」
「きっと飲み過ぎたんでしょうね。普段あまりお酒を飲まないのに急にたくさん飲んだからだと思いますよ」
たくさんと言ってもビール三杯だが、アルコールをほぼ接種しない隆則にはキャパオーバーだったようだ。
「……ごめん、迷惑かけて」
「何言ってるんですか。隆則さんに色々できて嬉しいです」
ベッドに伏せっている隆則にはわからなかったが、色々と口にしたとき遥人はニヤリと笑っていた。
鎮痛剤と水を渡してきて、ゆっくりと慎重に隆則の身体を起こす。
遥人の逞しい胸にもたれながら、手の中の錠剤を口に入れぬるめの水を飲み込んだ。酷く渇いた喉に、僅かな潤いが優しく流れ込んでいく。少量では足りず、コップの中の水分を全て飲み干して、コップを遥人に渡した。
「こんな隆則さん初めて見ました。会社員時代もこんなの味方したんですか?」
「ない……飲み会になんか誘われたことないから」
「そう、ですか……横になった方が良いですか?」
「いや、このままで……」
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