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分裂と過剰と悦びと(遥人が二人になりました!?) 13

 足をバタつかせ感じる隆則に、後ろから問いかける。返事なんてできない。首筋に髪を打ち付けて愉悦を逃そうとするのに、早いスパンで下から突き上げられる。 「やっ……また! またいっちゃ……やめてぇぇ」 「何回でも達ってください。隆則さんが仕事できないくらい感じさせるために二人になったんですから」 「そう。でも分裂したら隆則さんに向かう気持ちが少しは減るかと思ったけど、全然でした。何ででしょうね……二人でどれだけ隆則さんの中にいっぱい出せるか、やりますねっ」  一際大きく腰を打ち付けてきた遥人の欲望が最奥を貫く勢いでその扉を叩いてきた。 「やめっ!」  こじ開けようとする衝撃に、あっという間に上り詰めて再び絶頂が訪れた。  続けざまに達かされた隆則は、痙攣が治まらないまま、声を出ず身体を揺らすしかなかった。 「すげー隆則さん。あっという間に俺たち二人のを絞り取ったんですか」 「連続メス達きの締め付け、凄すぎですって。あー、中がうねって絡んでくるからまたすぐに大きくなっちゃいますよ」 「感じてる隆則さん見てるだけで、こっちももう臨戦態勢です」  弛緩した身体で二人の言葉を遠くに聞く。戦慄く身体はもう何一つ隆則の言うことなど聞きはしない。両足を解放されても、軟体動物のようにベッドに仰向けになった遥人の上に倒れ込む。  愉悦が深すぎる。  いつも以上に続けざまに感じさせられて、正気が戻る余裕すらない。どこに自分の手があり、どうやって身体を動かすのかすら忘れ、ひたすら痙攣を繰り返していく。ずっと身体を固定されていたせいか、快楽を逃がすことができなくて、いつもよりも愉悦の深淵を揺蕩い、上昇することができない。  遠くの水面の輝きが目をチカチカとさせる。瞼を閉じても光の残留が居座って安寧の闇を映し出してくれない。  こんなの、何度も達かされた後でなければやってこないのに……。  まだ始まったばかりでこんなに感じてしまったら、この後どうなるのだろう。ブルリと恐怖に背中を震わせた。それを感じていると思った遥人たちは、嬉しそうに四本の手で隆則の肌をまさぐる。隆起した肩甲骨、細いウエスト。筋張ってばかりの太腿にふくらはぎ、すべてを撫で回していく。  気持ちよくて、吐息を零しては遥人の肌を濡らした。 「さすがに隆則さんをずっと抱えてたら腕が疲れました。次は俺に感じて可愛くなってる隆則さんの顔、見せてください」  首筋にキスを落としていた後ろの遥人が囁いてくる。

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