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分裂と過剰と悦びと(遥人が二人になりました!?) 15

 その心地よさに、頑なな心が溶かされていく。男だとか年上だとかが些末事になり、愛情の業火に焼き尽くされていった。  残ったのは消えない愛情と純粋な快楽。  わだかまりをなくせば、求めるのに躊躇いはなかった。 「もっと奥……めちゃくちゃにして、くれ……」  何度目かの蜜を吐き出して離れたのが寂しくて、戦慄いたまま閉じることができなくなった両足を投げ出し、開いたままになった蕾から二人に注がれた白濁を零しながら、ねだった。 「……結腸責め、して欲しいんですか?」 「いつもは怖くて嫌だって泣くじゃないですか」 「して……」  手を伸ばすこともできない。もっと足を開いて誘うこともできない。けれど、まだ欲しい。 「すき……だから……はるとに、なにされてもいい……」  真っ直ぐに向かう愛情に応えられる方法なんて、自分にはない。この身を捧げる以外は。 「……またそんなことを言うんですね。本当に何をされても文句言えませんよ」 「いい、から……」 「それは、今日だけ? でもきっと俺、それだけじゃ満足できませんよ」 「隆則さんが起き上がれなくても、明日も抱きますよ。明日だけじゃない、明後日もその次の日も。それでも?」  そんなにこの身が欲しいなら、いくらでも奪えば良い。そのたびに隆則の中に残るのは愉悦と幸福感だけだから。 「……いい……うれしいから……」  嘆息する二人。その顔は嬉しそうに輝いている。 「愛してます、隆則さん」 「ずっと貴方だけ、愛してます」  二つの顔が口付けを求めて近づいてくる。その一つずつにキスをして、でももっとしたくて、伸ばした三つの舌が絡み合う。淫らなキスを続けたまま、四つの手に昂ぶらされる。  ああ、ずっとこうしていたい。遥人のためだけの存在になりこの身すべてを委ねたい。  その先に何があっても、ただ愉悦と愛だけを貪っていきたい。 「おれも……あいしてるっ」  愛してる。そうだ、初めて会ったあの瞬間からこの気持ちは芽生え育ち、何度枯れそうになっても抜くことができない程、心の奥深くに根を張り巡らせてしまった。そして今、相愛という養分を得ることで花を咲かせ種を落としては、その想いをいくつもの株にわけて心の中を埋め尽くしている。  いつか、隆則の心は彼への愛情だけで埋め尽くされるだろう。  それでいい。  彼に愛されることが隆則の、幸福なのだから。  僅かな休憩の後、再び二人の情愛を受け止め、自らも悦びに身体を震わせ、最後には二人を同時に受け挿れ、気持ちいいと何度も震えながら熱い蜜の迸りに愉悦の頂点に達し、意識を手放した。

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