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9.デビル、めざめる⑥*
「ま゙……っ、んあっ、待って……ぁああっ」
先程まで硬くしこっていた前立腺は、射精によって幾分か柔らかくなった。そこをまた先程より少し速い動きで掘削する。ぐぅぅ、と唸る獣みたいな声を出して、庄助は景虎を睨んだ。
「待てよ、マジでそんな……っ! 趣味悪いぞ!」
「何がだ?」
「イってんのに! しかもせっ、セーシ飲みやがって……カゲは、俺がいややって言うてんの見て、おもろがってる!」
「よくわかったな、正解だ」
景虎は涼しい顔で腰を引くと、一気に奥まで貫いた。
「ぴあぁっ……!?」
「そうやって庄助が可愛い声出すから……もっとキャンキャン鳴かせたくなってくる」
景虎はそう告げると、足首を掴んで庄助をまるで二つ折りにするようにぐっと折り曲げた。
「やっ、め……ぇ」
身体の下で潰れた声で呻く庄助は哀れだが、それが何故かすごく可愛らしい。キュートアグレッションを堪能するように、景虎は腰を強く打ちつけた。
「おぐっ……うあ、あぎぃ……っ!」
何度も何度も杭を打つように、上から下へ叩きつけた。勢いが良すぎて抜けてしまうと、急に栓をなくしてぽっかりと孔が口を開ける。そこにまた押し戻すように遠慮なく捩じ込む。
「んっう……ぁ゙……! ぉ゙ひっ」
気持ちいいというよりも激しすぎて息ができない。圧迫された腹の中を、勃起したペニスが乱暴に行き来する。接合部で練り上げられるローションの水音に、行き場をなくした空気が漏れるゴポゴポという大胆な音が混ざりはじめる。
「や゙……もう、ナカ、ぐしゃぐしゃにっ……! へぅうっ」
「ふふ、また後でイヤっていうほどキレイにしてやるよ……ん、俺もイキそうだ」
開脚させられて、泡立つ接合部を見られることも、声を出すこともいやらしい音も、何もかもが恥ずかしい。庄助はきつく目を閉じて、嵐が過ぎるのを待つように景虎を受け入れた。
「中に出すぞ」
「ゔ……ンッ」
暴力的なピストンに揺さぶられて、肉が激しくぶつかる音がする。庄助は否が応でも犯されている事実を噛みしめた。涙と鼻水でビショビショに濡れた顔面を見つめられている。……景虎の汗が、ぽたぽたと頬に落ちた。こんなに屈辱的なのに、どうにも胸が切なくなる。
「カゲ、ぇっ……」
「は……やばいな。中、すごい熱い……」
景虎は、強い射精の快感に、眉をしかめて唇を薄く開けた。息継ぎのたびに刺青の入った分厚い胸が動き、見事な腹筋がうねる。汗ばんだ前髪を掻き上げて、普段全部は見えない額の形や生え際が見えると、庄助の胸は一層どきどきした。
俺のことエロいエロいって言うけど、自分だってじゅうぶんエロいやんけ。
たっぷりと腹に注ぎ込まれながら、庄助は思った。
お互いの吐く息は荒く、肌は湿っている。軽く浮かせた庄助の尻から精液が溢れる。直腸の中の景虎のペニスは、自ら放出した白濁に蓋をするようにまだ硬さを保っている。
「んん……」
景虎が覆いかぶさってきて、身体の芯が重怠いままにキスを受け入れる。自由を取り戻した庄助のつま先は、ソファベッドのシーツの上を所在なく彷徨う。ガチ、と歯が触れ合った。目を開けると、景虎の昏くて美しい色の虹彩が、庄助を見ていた。
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