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第二幕 12.プティ・シャノワールに愛の鞭を!⑧*

「もう、足も腰も、イキすぎてガクガクで……ふんばられへん、からっ……おねがい」  この数ヶ月の間に、すっかり媚びる声音を覚えたものだ。憎らしくて、愛おしい。  やはり息の根が止まるほどに抱いて、自分が誰のものなのかをわからせなくてはいけない気がする。  景虎は黙って庄助の尻を割ると、肛門の付近にペニスをぐりぐりと押し付けた。拒むつもりできつく閉じた孔が、鈴口に吸い付くようにゆるく締め付けた。 「おいっ! うそやろ……こんなに頼んでるのにっ!?」 「泣き落としが通じるわけないだろ、バカ。それに俺はまだ出してない。自分が気持ちよくなったからって、ちょっと身勝手すぎないか?」 「頭おかしいんかタコッ! 無理や嫌や! つーか昨日もしたし、お前ちんこデカいし何回もするからしんどい! もう嫌やーっ!」  もうヤケクソなのか、庄助は情に訴えるのをやめ、膝から下を駄々っ子のようにばたばたと暴れさせた。  パンツを脱がせて片足だけに引っ掛けると、挿入しやすいように腹の下にクッションを挟み込む。縛られたままの手のひらに軽く触れると、じっとりと汗ばんでいる。  この馬鹿で自分勝手で可愛らしい早坂庄助という男が、今だけは完全に自分だけのものなのだと思うと、たまらなく滾る。 「や、挿れんな……挿れんとって! あかんてっ……いぅ、死ぬっ!」    泣きを入れる庄助の肛門に、景虎は自らの男根をめりめりと押し込んでゆく。括約筋をこじ開けて腰を進め、直腸をペニスでいっぱいにしてやると、庄助の腰にプツプツと鳥肌が立った。 「んぉお……っ、ひぃっ、あ゙……おっきい、おっき……待ってぇ……!」  いわゆる寝バックの姿勢で犯され、庄助はシーツに額を擦り付けて喘いだ。柔らかい尻の肉を掴み割り開いて、深々と肉の杭が刺さった穴から、ゆっくりとそれを引き抜く。 「きゅうう……」  アザラシの子供が親を呼ぶような声を出して、庄助は足をばたつかせた。暴れすぎて少し位置のずれたツインテールが揺れる。  柔らかくなった濃いピンクの腸壁が、ペニスに絡みながら少し引き出される。すごく淫靡で背徳的だ。挿れるべきでない穴に挿れて、二人ともしっかりと快楽を享受しているなんて。 「あっ、ぐ……! いぎゃっ!」  粘膜を押し戻しながら、中の壁にペニスをめり込ませる。庄助の背中が跳ねた。 「思い切り突いてやるよ」 「お、おに……!」  肩越しに睨みつける庄助の目の縁は、赤く充血している。 「昨日みたいに、甘やかされながら抱かれたいのか? ああいうほうが好きなのか?」 「は!? 違うし! いっぺん、死っ」  腹の中の気持ちいいしこりをゴリゴリと押し潰されて、庄助の息が止まった。  昨日、ナカだけで絶頂するのを教えられた。あの甘くて深すぎる快楽へのトび方のコツは、もう身体に記憶されている。  絶対によくない。尻の中、身体の中をペニスで突かれて、それが気持ちいいなんて。こんなセックスばかりしていたら、駄目になる。景虎じゃないと駄目になってしまう。

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