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第三幕 七、脳まで愛して⑤*
「おい……カゲっ……。な、なあ、イヤやって……! もしあいつらが来たらっ」
「そう思うなら、少しは静かにしろ。それとも、服の上からしか触ってないのに発情してるのか?」
「は……!? 発情!? するわけないやろ、しねっ!」
怒ったようにそう言うと、庄助は下を向いて黙ってしまった。
絶対に自分では認めないだろうが、庄助は結構なマゾだと景虎は思う。最近気づいたことだが、彼は言葉や力で捻じ伏せられて辱められるのが、必ずしも嫌なだけではないのだ。そういうところも可愛いから、ついいじめてしまう。
上着を脱がされてインナーだけになった庄助の肩に、ぷつぷつと鳥肌が立っている。鎖骨のあたりなど目立つ箇所のキスマークはほぼ消えたが、服で隠れる場所につけた噛み跡はまだ残っていた。
自分がつけた執着の痕跡を、景虎は指先でなぞってゆく。不安そうに目を伏せる庄助の頬に、冗談のように優しい口づけを落とした。
徐々に固さを増してゆく乳首の感触を楽しむように、くったりと柔らかいタンクトップの繊維ごと表面を刺激する。
「ゎ、ん……っ、んくっ……ぁっ」
景虎の触り方がいやらしすぎて、甘い声が止まらなくなる。合間合間に降ってくる唇へのキスも、拒みたいのに受け入れてしまう。
胸板の間を流れた汗がタンクトップの布地の色を変えるのを見て、景虎はにやりと笑った。
「庄助のこの服、濡れたところの色が濃くなるんだな」
そう言うと景虎は身をかがめ、ぷっくりと膨らんだ庄助の乳首に服の上から吸い付いた。
「んん~~っ! ぁひぃ……っ」
直接舐められるのとは違う、布越しの濡れた感触。立ち上がった部分を服ごと吸われて口の中で舐め転がされると、涙が出るくらい感じた。
舌と繊維が複雑に乳頭を刺激してくる。頭を離そうと押し返す手のひらは震えて、ろくに力が出ない。母乳でも飲むかのように存分に吸い尽くすと、景虎は反対側も同じように吸い付いた。
「ん、ん゙ひっ、お……っ! い、や、それっ……カゲぇ……っ!」
「でかい声だな、居場所がバレても知らないぞ」
そう笑う景虎の息が熱い。剥き出しの胸を舐められるよりも、服の上からの方が恥ずかしい気がする。
背中をドアに押し付けられて逃げられない状態で、右左を交互に吸われ舐められて、声が我慢できない。
こんなことをしている場合ではないのに、しかもこんな場所で。それなのに景虎にそういう意図を持って触れられると、身体の芯が熱で融けたみたいになって、まるでコントロールできなくなる。
庄助は自分で自分の口を必死に塞いだ。
「なぁ、見てみろ庄助」
言われて胸の方を見る。舐められて濡れて濃い色になってしまったタンクトップの生地が、勃起した両乳首にぴったりと張り付いていた。
「ふ……うぅっ」
あまりの淫らさにクラクラする。ピンと立った乳首の形が、服の上から丸わかりだ。ふっと景虎が息を吹きかけると、冷たさに体が跳ねた。
「濡れてくっついて、すごくエロくていいな、これ」
濡れそぼった布の上から、きゅうっと二つ同時に摘まれて引っ張られた。伸ばされて尖った先端を指先で挟んで捏ねられると、庄助の目の裏に火花が飛んだ。
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