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第三幕 十四、艱難、汝を✕✕にす④*

「文句言ってないでしゃぶれ」  鼻先を、雄の匂いが掠める。うっすら目を開けると、赤黒く艶めく勃起が目の前に突き出されていた。 「う……お前、ええ加減にせえよ! どこがテストやねん、変態っ……う、あ」  抗議をする唇に、熱く濡れた太い先端が一瞬触れて糸を引く。それだけでもう、慣らされた身体の真ん中は、じくじくと痛むように溶けてゆく。 「しゃぶれ」  回りくどい言い方よりもはっきりした指示のほうがいいのは、動物と同じだ。きっぱりと命令すると、庄助は息を呑んで押し黙った。  じわっと悔し涙を滲ませる目の縁が、赤くなってゆく。かわいそうに、涙を目玉ごと啜ってやりたい。景虎はそう思う。 「ふ、ぅ……っ」  手を使えない庄助は、ペニスに顔を寄せるのも一苦労だ。血走った幹を鼻先に擦り付け、恐る恐る舌を出す。ぺろぺろと不慣れに裏筋を舐める舌がもどかしくも愛らしい。 「先っぽ、口の中に入れてしごけよ」 「アホか……無理……っでかい、しんどい……」  無理な体勢が辛いのか、景虎の下腹にもたれるようにして横から茎の部分を舐める。陰毛を頬にくっつけて、はふはふと唇で挟むように同じところばかりを愛撫しているので、景虎はサボるなとばかりにワイヤレスのリモコンでバイブレーターの振動を速めた。 「あ゙、あ゙~~っ、や、そえ……っ!」  モーターの唸る音が微かに大きくなって、脚の間で庄助の身体がびくんと踊った。景虎の臍のあたりに額を擦り付けて、腹の中の機械の動きに悶絶している。 「自分ばっかり気持ちよくなるな」  湿った剛直で何度も頬を打つと、庄助は観念したように口を開けた。 「ンぷ、く……っ」  塩辛くて変な味で、舌に残る。息継ぎをすると景虎の匂いが鼻から脳に突き抜けて、これがいやらしいことをしている、させられているときの匂いだと刷り込まれる。歯を立てないように唇で包んで、顔をほんの少し前後に往復させた。  勃起の勢いが強すぎて、口を離すと上を向いて逃げてゆく。手で固定することを封じられ、唾液だらけになった竿に顔を(はた)かれて、庄助の顔はだんだんと汚れてゆく。 「舐めてないだろうな、俺以外のチンポ」 「舐めふぇないわ……!」  上半身が傾いでゆくせいで、普段は舐めない玉のほうまで舌を這わすしかなかった。毛繕いをする猫の子のように、垂れた自分の唾液を追いかけてはサリサリと舐める。  そのうちに、焦れた景虎が指で支えたペニスの先端、カリの部分を咥えさせられた。背中や頭皮を汗が流れる。クーラーの届かない浴室での行為は、暑くて辛かった。 「俺の顔見てろ、目逸らすな。誰のチンポ咥えてるのかちゃんと意識しろ」 「ンんっ、う……、んぐ、ゥ、おごっ」  突如ぐっと奥まで入り込んできた亀頭が舌根を圧迫して吐き気がした。

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