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第三幕 十四、艱難、汝を✕✕にす⑦*
◇ ◇ ◇
「やっ、あああっ! やめ、ひゅ、ぐ……っ」
庄助の喉から、喘ぎというより叫びに近い声が漏れる。さっきの水責めとは違った意味で、おかしくなりそうだった。
ベッドに転がされ、太腿に跨った景虎が持ってきたヒタヒタに濡れたガーゼで、亀頭をずっと擦られ続けている。勃起して剥き出しになった先端は、ローションで濡れててらてらと光る。充血して痛そうなほどだった。
尻の穴にはさっきのバイブがまだ入り込んでいて、もはや肉と馴染みつつある。
「これ、ずっとやってみたかったんだ。庄助が泣くと思って我慢してたけど……」
とぷとぷと冷たいローションを足されて、熱い先端との温度差に飛び上がった。単なる摩擦がこんなに辛いなんて、庄助は知らなかった。
「あっあ゙! いや、うあっ、んぐ……! あひ、むり、む……っうぅ! ちんこ、壊れぎゅ……っなくなるっ!」
「喜んでるみたいでよかった」
「よっ、オ゙、よろこんでない! あ、あっァ゙~~!」
景虎の指が、つまんだガーゼをずるずると左右に動かす。そのたびに庄助は叫びながら身を捩ったが、腿に乗り上げた景虎の重い体のせいで、動くのは縛られ続けている上半身のみだった。
もうすでに胎内で温まってしまったバイブは、どう操作したのか動きを変えている。弱く細かい振動で前立腺を小さく掻きむしるように刺激してきて、馬鹿になるほど焦れったかった。
「やっ、あっあ゙っあ……もう、やっ、あぁ、あ゙~~~っ! ぎぅう~っ!」
「やめてほしいのか? さっきまでの威勢はどこにいったんだ?」
「ひ、ゔぅあ……! こんなっ、はんそ、ひ……っ、反則れ、うぐううっ!」
相変わらず外してもらえる気配のない結束バンドは、もがく手首の皮を少しずつ削ってゆく。痛くて痒い、でももうそれもどうでもいい。
泣き叫ぶのは恥ずかしいことだという、大人として当たり前の理性が飛ぶ。
「かげぇ、かげっ……も、ちがうとこにして……っそこ、そこはっ……!! うあぁあっ!」
視界が真っ赤だ。陸に上げられた金魚の口のように、ぱくぱくと尿道口が開閉する。
一往復でも飛び上がるほど快感が強いのに、ローションを纏った繊維が何度も行き来する。続けられたらきっと狂うか、叫びすぎて頭の血管が切れて死ぬか、そのどちらかだと庄助は思った。
亀頭責めだけでは絶頂には至れないのが辛かった。溜まった快楽の行場がなくて、どんどんペニスの先端に溜まってゆくのに、暴発することも許されない。
腹の中の振動はゆるくて、どう腰をくねらせても、オーガズムには至らない。地獄だった。
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