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第三幕 十四、艱難、汝を✕✕にす⑩*
熱あるくせに、しんどいくせに。俺なんか助けに来て、挙句の果てにギンギンに勃起してアホちゃうか。
胸の中で悪態をついて、熱を持った虎の刺青に触れる。薄い皮膚の下の組織を染めて色づく、赤、青、黄色。さらにその下の血潮を思う。触れた指先が痺れるように感じるのは、さっきまで縛られていたからかもしれないし、そうでないかもしれない。
庄助だって景虎が欲しいのだ。ずっと憧れて焦がれている。だから、これはひとつの覚悟であり本心だ。
「カゲの……ちんこ。俺のナカに挿れて、犯して……っ」
尻に栓をしていたバイブがずるんと抜けて、代わりにそれとは比べ物にならないほどの熱と質量を持った、景虎のペニスが侵入してくる。
やばいと思った。変な感じのスイッチが入ってしまっている。このまま奥をこじ開けられて突かれたら、すぐにイってしまうかもしれない。
「ん、はあっ、ぅあ……すご、いっ……は、ぅぐ」
身体が待ちわびたみたいに開いてゆく。先ほどたっぷり舐めさせられた太い亀頭を、内壁が迎え入れる。認めたくないくらい嬉しそうに、一つ一つの細胞が歓喜の声をあげているみたいに。
「あつい……」
発熱している景虎のペニスは、焼けた鉄杭のようだ。締め付けると熱さが伝わってくる。庄助は景虎の首に手を回して、これから来るであろう衝撃に備えた。
「覚悟しろよ、お前が犯してくれって言ったんだ」
「……っけど、さすがに出勤までにちょっとは寝たいて……あ゙っ!?」
剛直が腹側を突き上げながら進んでくる。前立腺をぎゅっと押されて、性感がめいっぱい下半身に広がってゆく。景虎の胴に巻きつけた足先が、ぴくぴくと震えた。
「待って待って……! そのままっ」
ナカのほのかな膨らみに狙いを定めた雁首が、ぐりぐりと引っかかる。庄助がそれに弱いことを知っていて、わざと少し焦らすように勢いをつけてから一気に腰を引いた。
「うぐぅ……!」
残らず削り取るように圧迫されて、あえなく射精した。声を上げる暇もなく追い打ちのようにピストンを繰り返されて、そのたびに精液が腹に飛び散った。
「あっ、ひ……やっ、うわ……あぁあ~~っ!」
待ちかねた快感に鳥肌が立って、涙が際限なく出てくる。もうダメだった。ペニスに触れなくても絶頂することが普通になってきて、男でいられる自信がなくなってくる。
「ふふ、淫乱……」
「ちがう……でも、でもこんなんっ……きもちい、きもぢいぃも……っンぅ~~ッ! あ゙がん、またイ……っ!」
さっきまで焦らされすぎて、我慢を知らない身体ががっついている。ナカイキしてしまうと、高いところから降りられなくなるのに。
快感が苦しいけれど、こうやって抱きついて腹の中をいっぱいにされているときが一番気持ちいい。大きな身体に抱かれて、景虎の匂いに満たされて、二人だけでくっついて、幸せだ。
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