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第四幕 八、はらわたと境界線④*

「女みたいな乳首になりやがって」 「んぉ、うく……っ」  指先がそこを撫でる刺激に反応して、乳首が膨らむ。硬くなった芯がパッドを押し上げて、粘着面の少ない真ん中から、ぺりぺりと剥がれて肌を離れてゆく。  ぱくりと口の中に含まれた。かと思うと、景虎の舌がぐりぐりと絆創膏と皮膚の間に侵入してくる。 「ふ、ふ……ン」  絆創膏は景虎の唾液で呆気なく剥がれてしまい、端のほうを皮膚に残したままぶら下がった。剥き出しになった乳首に、景虎が歯を立てる。 「んぐうっ!」  ほんの小さな粒を噛まれただけなのに、鋭い痛みの信号が末端まで駆け巡る。乳輪まで余すことなく噛み、舐め転がされて、不規則な痛みと快感に涙が溢れた。 「んっんっん……! ふひぃっ……」  吸われながら先端を舌でつつかれ、気持ちよくなってきたところをまた噛まれた。景虎は、庄助の反応を見ながら、巧みに愛撫してゆく。 「ほんとに好きだな、ここ。変態め」  唇を離すと、舐められて噛まれた右乳首は腫れて、左の倍くらいに膨らんでいる。根本から赤く熟れて、左右差が妙に背徳的で淫靡だ。濡れて大きくなった乳首を、きゅうっと指で引っ張って捏ねられ、そのたびに腰をくねらせた。  何をされようが、うまく抵抗することも声を出すことも出来ないから、逃げずに受け入れるしかない。それに、本格的な凌辱はこれからなのだと、庄助は知っている。  無意識に逃げを打つ腰の下で、張り詰めて天を向く景虎のペニスが、狙いを定めていた。 「んうっ、んン、ん゙!?」  今日はそこを慣らしていない。どころか、景虎の不在により、数日間何も挿入していないアナルは、いつもよりも硬く蕾んでいる。  メリメリと音を立てそうな勢いで、景虎のペニスはそこを圧迫してくる。小指を骨折しているのが信じられないほど、ぎゅっと強く押さえつけられて、どんどん腰が沈んでゆく。 「……好きなんだろ、痛いの。お望み通りにしてやるよ」  景虎のペニスの先端のぬめりが、申し訳程度に肛門全体に塗りつけられた。それだけで、快感を知っている穴ははくはくと貪欲に蠢き、庄助の望む望まざるに関わらず、景虎の尿道に歓迎のキスをする。  控えめな濡れた音が二人の粘膜から聞こえると同時に、弾力のある亀頭が隘路(あいろ)をこじ開けるように侵入してきた。 「ぐぅうう~~っ!」  庄助は唸り声を上げた。括約筋が異物を押し出そうと、いつもより明確にペニスをきつく締め上げる。最低限の体液を孔の入り口に塗りつけながら、太いペニスの先端は奥へと潜り込んでゆく。景虎は強い摩擦に眉をしかめながら、庄助の泣き顔をじっと見つめた。 「きゅふっ、ぅ、うゔ」  長い髪から突き出た立ち耳が、赤く染まる。痛みを散らすには呼吸が大事だが、それすらままならないのだ。

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