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【番外編】ミーツ・シーオッターズ・ハッピーラブ・ジャーニー⑧*
「ん……うっ、はふ、あっ」
唾液の絡まる水音が、お互いの耳を打つ。お互いの浴衣を乱雑に脱がしながら、庄助の腿がそっと景虎の下腹の昂りを確かめるように撫でてゆく。キスをしたまま、ローションをまとった指を庄助の中に、第一関節分だけ埋めた。
「きゅ……うっ」
慎ましく締め付けてくるアナルは、物足りなさそうに指をちゅうちゅうと吸い上げる。口の中を舌でくすぐるたびに小刻みに締まって、その胎内の熱さをはやく感じたくなってしまう。
「欲しそうだな」
「お……っ、おっ、んはぉ」
ゆるく舌を吸ってやる。せき止める術なく喉奥から息とともに漏れる声は、いつになく甘えるように鼻にかかっている。強張る庄助の舌の筋肉を、景虎がほぐすようになぞった。口の端から、飲みきれないぬるい涎がだらりと滴った。
「おぁ、ひゃ……もっ、や、ぁっ……ぁぷっ、んくっ」
垂れた唾液を逆流させるように、舌で庄助の口内に戻した。混ざってどちらのものでもなくなったそれを、必死で飲み込む様がそそる。景虎の海綿体に集まった血液が、ペニスを硬く肥え太らせてゆく。
体勢を入れ替えて、庄助の尻が顔の方に来るよう、シックスナインのかたちで自分の上に跨らせた。
「い、いややっ! これ、恥ずかしいからっ!」
逃げようとする庄助の足の間、また健気に勃起し始めたペニスが、皮から顔を覗かせている。ぱくりとほんの先端を口に咥えると、庄助は甲高い声を上げた。
舌で先端をつつくと、幹全体がぴくっと震える。ザーメンの残滓でくっついた皮と亀頭の隙間に、舌先を押し込んでゆく。景虎の好きな、庄助の味がする。
「や、ひっ……あかんてっ……!」
「お前も舐めろ」
快感に震える庄助の頬に、わざとカウパーを塗りつける。柔らかい頬肉の奥の歯や頬骨に、剛直をぐいぐいと押し当てる。しまいに、鼻先から糸を引くまで塗りたくると、庄助はもう雄の匂いに負けたようにくたっとなってしまった。
「へふぅ……」
観念したかのように、遠慮がちに舌が動く。軽薄そうな見た目のくせに、いつまでたっても色事に慣れず、ずっとフェラが上手くならない。それでもMっ気のある庄助のこと、舐めさせられているというシチュエーションに興奮するのだろうか。景虎の顔の上の白い双丘の間、最初期とはだいぶ形が変わってしまって、割れ気味に息づくアナルが、物欲しげに蠢いている。
なんていやらしくて愛おしいのだろう、と景虎は思う。はじめは小さくてピンク色だったそこが、肉棒を受け入れるうちに、淫靡にカタチを変えてしまったことが。行為の積み重ねであり、これは二人の愛の共同作業だ。
「チンポ舐めてもらいながら、庄助のケツの穴を間近で見られるなんて……旅行って最高だな」
「あああアホ! ほんまに死んだらいいのにっ……あひゃっ!?」
また先端を咥えられて跳ね上がる庄助の腰に、抱きつくように腕を回す。右の手のひらで尻を撫で回しながら、鈴口全体を舌で嬲った。
「そっ、先っぽ、先っぽあかんっ! やめろ、やめっ……あ!」
「ほぐさないといけないんだから、我慢しろ」
「く、くわえたまま、しゃべっンな……んうぅ~!」
ローションでぬかるむ穴の中に、今度は無遠慮なほど一気に指を突き入れる。指の節を引っかけながら出し入れしつつ、逃げられないように腰をホールドする。景虎の舌の上でペニスがじわじわと膨らみ、体液を滲ませてゆく。
「あっ、あっ……や、んっ、カゲっ」
「口が止まってるぞ」
中に入れた指を揺らすと、くちくちと入り口が音を立てる。景虎の位置的に穴は見えないが、前立腺の膨らみは感触でわかるものだ。指の腹がそこに触れるたび、庄助の内腿がビクンと引きつった。
尻の肉を掴んで拡げ、しこりにゆっくりと圧をかけて悦くしながら慣らしてゆく。
健康的で肉厚な臀部は、弾力に満ちているのが薄闇の中でもわかる。横に引き伸ばされた穴から、練られて小さな気泡を含んだローションが溢れ、景虎の胸板に落ちた。
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