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第五幕 十、メルティ・メルティ・ユニバース⑦*
「……お゛……っ!?」
身体がこじ開けられて、考えていたことがぶつんと途切れた。
何度も抱かれて慣れているはずなのに、先端が入り込むときの感覚は、どうしても苦しい。
容赦のない太さ、つるりとした亀頭の感触、くびれや反り、凹凸。中の肉はそれらを余すことなく感じ取ってしまう。
前立腺に届くまでは苦痛のはずなのに、この先を知っている身体が、勝手に歓喜する。毛穴の一つ一つがギュッと締まって、鳥肌が腰から首筋まで一気に駆け上った。
「……辛くないか?」
「あ、あっ!?」
必死で堪えていたのに、耳に低い声が直に入ってきて、もうダメだった。景虎が身体の中に入ってきている。尻の中だけでなく、耳の穴にまで。バチバチと耳の裏から光が爆ぜて、脳天を刺す。
「お、ぉっ……は、ひぃっ、んや……あ゛ぁっ! イぎぃっ!」
庄助は精液を出さずに絶頂した。
視界が白く飛び、そのあとザラザラと粗く空気に溶け出すような感覚に陥る。手放しそうな意識と裏腹に、括約筋はきゅんきゅんと収縮して、景虎の雁首を何度も締め付けた。
「イッたのか? まだ全然入ってないぞ」
「そぇ、おま、ひゃ……んんぅ、ぎゅ、ぐ……ぅうっ!」
お前が耳元で喋るからや! と言いたかったが、言葉にならなかった。
脳内で爆ぜた光はいつの間にかたくさんの星になっていた。景虎が奥に入ってくるたびに、星の数は増えてゆく。
「ナカ、ぎゅうぎゅう締まってる……大丈夫か? 抜くか?」
「あ……はあっ、あかん、ぬ……っ抜かんとっ、て……ぇ! いれて、うごいてほし……い」
抱かれている幸福で、うっかり崩れ落ちそうになる手足に力を入れた。繋がっている部分から、触れている肌から、幸せがぶくぶくと増幅して包まれる。
緩やかな抽送、景虎に優しくされている、気遣われている事実に、鼻の奥がツンと熱くなった。
カゲはヤクザで、強くてデカくて怖いのに。
こうやって精一杯優しくしてくれんの、めちゃ嬉しいな。こういう気持ちって、なんなんやろ。
わからん、わからんけどめちゃ幸せで、気持ちいい。
「庄助、好きだ、好きだ……」
低く掠れた愛の言葉の熱に、腰がかくんと抜けた。挿入したままそっと身体を横たえられ、頭を一撫でされる間に、庄助のペニスは無色透明な液を吹いた。身体中の弁がバカになっているようだった。
片脚を抱え上げられ一層奥まで、景虎の性器が届く。逃げ場のない格好にされているのに、恥ずかしさと嬉しさで、内側が勝手に緩んでゆく。
奥のひだに先端が触れた、と思えば、ずるずると引き抜かれて、ローションまみれの肉壁ごと引きずり出される。
「あ……あ~~っ! おっ、おご……ナカ、めくれ、る」
内臓が出てゆくみたいに熱い。逃がすまいと絡みつく肉をこそぎながら、ごく浅いところまで戻った先端が、またぬるぬると奥に入りこんできた。
「はぐぅ、あ、あっ! やああっ! いく、イクって、い、イってる! ふう゛ぅう~~っ……!」
何度も何度も同じように、余すとこなく味わうようにゆっくりと出し入れされて、庄助の直腸の壁はすっかり蕩けてしまった。
「ナカの肉、どこを突いても柔らかいから……前立腺のしこりがよくわかるな……っ」
景虎の息が、耳元で一段と低く乱れた。いつもこれくらいなら余裕のはずなのに、興奮と性感で少しずつ言葉を失っていく景虎が、艶めかしい。
「お……っ、ぐぅう、……な、何回も、そんなゆっくり……したら、おかし、なる゛っ、うっ」
「は……おかしいだろ、もうとっくに」
汗で濡れたお互いの肌が吸い付く。荒い息の音、結合部の水音、肉と肉がぶつかる音、外の轟音。
それらの音はどれも色とりどりの光を帯びて、庄助の鼓膜を通り、脳内の星々へと還ってゆく。一定のリズムで繰り返される景虎のピストンは、なぜか宇宙全体の脈動と同じだ。一体化してしまう恐ろしさを、心地よさと快感が凌駕する。
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