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16.※疑似挿入

腰を掴んでいることから、愛賀の後ろに挿れろということなのだろう。しかし孔にはディルドが挿れられており、どうしたって客のは挿れる隙間もない。 だが、そんなことで拒むことが出来るはずもなく、無謀な要求にも応えなければならない。 唯一自由である腰をゆるゆると探るように動かす。 ところが、背後で見えないのもあり、どこに客の極太のモノがあるのか分からず、止まない振動に逐一反応し、尻を締めていた。 「は⋯⋯っ、そんなんで挿れているつもりか?」 怒っている様子の客に身を震わす。 けれども、その声が必死になって我慢しているようにも聞こえたのだ。 もしかしたら、ディルドの振動が客のに当たって、感じているのかもしれない。 そう思った愛賀は、つま先立ちでおぼつかない足取りでありながらも、客の声に耳を澄ませながら腰を揺する。 声が漏れそうになって、慌てて口を閉じているようなそんな声が聞こえ、そうなったであろう位置に重点的に動かした。 「は⋯⋯ぁ、⋯⋯んっ、きもち⋯⋯ぃ」 まるで客に挿れられているようなそんな喘ぎ声を上げて、客をその気にさせながら。 「⋯⋯は⋯⋯ん、んぅ、そこ⋯⋯っ」 「お前⋯⋯挿れ、てねぇ、だろ⋯⋯ぅ」 「あぁ、そこぉ、そこ⋯⋯ッ! もっと、突いてぇ、ねぇ⋯⋯」 「だから、お前、挿れ⋯⋯は、く⋯⋯ッ!」 言葉が途切れ、掴んでいた手に力が入る。 射精()したのだと、臀部辺りに熱い液が付いたのを感じた。 「⋯⋯小癪な真似をしやがって」 息が乱れた、しかし、地を這うような低い声と共に天井に引っ掛けられていた手枷をむんずと掴んだかと思えば、投げ捨てるかのように振り下ろされ、床に叩きつけられる形となった。

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