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At the gymnasium storeroom 体育館裏の倉庫5※
「何か、香水とか、つけてきた?」
周央の顔がほんの数センチの距離にある。こんなに他人の匂いを間近に感じるなんてことは、生まれて初めてではないだろうか。
「ボディソープ?」
耳の後ろに鼻を近づけ、嗅いでみる。思った通りだ。ここが、一番香りが濃ゆい。
「これは」
周央自身の匂い、なのだろうか。もう一度、深く嗅ぐ。
身体から、熱を帯びた甘い香りが揮発しているようだ。
匂い立つとは、こういうことなのだろう。もっと匂いを感じたくて、更に鼻を近づける。唇が周央の肌を掠め、周央の肩がぴくん、と跳ねた。
「んっ……悪ノリならやめろ」
首元まで真っ赤に染まった周央から、抗議の声が上がる。
「違う、ただ嗅ぎたいって思っただけ」
「どうして」
周央の声が、震えている。
「どうして僕達がここに入れたのかは、もう良いのかよ?」
「さっきは無視して答えてくれなかっただろ」
良いのだろうか、聞いても。
「周央は、俺が好きなのか?」
周央は、さっと目を伏せた。その拍子に、水滴がぽろりと落ちる。髪から落ちた? それとも目からだろうか。
俺は、周央の顔を覗き込んだ。
「ごめん、いまから俺の言うことすげー上から目線になってるかもだけど、他に思いつかなくて」
これが、引き返す最後の機会のような気がする。
「あのさ。俺は周央こと、嫌いじゃないよ全然、ぜんっぜん嫌いじゃない、むしろ好きだ。いやでもたぶんあの、そういう方面の好きってわけじゃないと思ってた、だってさ」
俺は、綺麗で少し大きめの瞳の中を、覗き込んだ。
不安、不満、戸惑い、恐怖。状況への抵抗を示すような様子を欠片でも見つけたら、即止める。
これは間違いじゃない? 本当に、俺が、周央が選んだことか?
流されてない? 後悔しない? 本当に、嫌じゃないのか?
「俺、男だぞ。周央、男だったよな?」
「黙れ」
俺の薄い唇に、周央の厚い唇が触れる。目を閉じた周央の、まつ毛が長い。肌がきめ細かくて白くて綺麗。俺は目を完全に開けっ放しだ。
甘美な匂いが、鼻先で香る。更に押しつけられる、とても柔らかい感触。
すい、と周央の唇が離れる。
「……どう?」
合わせる瞳の中に、俺の思うような抵抗は見当たらない。あるのは、熱い光。
「どう、って」
全然嫌じゃない。それどころか。
「ちょっと確認させろ」
自分から、顔を近づけてもう一度、唇を重ねてみる。
男の唇に、重なっている。
いや、男だと思うから変なのだろう。周央だ。目の前にいる、いまキスをしている相手は、周央直。
周央が、俺の唇を舐めてきた。温かい舌と、甘そうな匂い。
「もっかい」
「ん、これ?」
唇を軽く重ね、離して首を傾げる。おいおい、わざとか?
「違う、これ」
俺は、さっき周央がやってきたように、周央の唇を舐めてみる。
いける、全然いける。
俺は衝動に任せて、更に周央の柔らかい唇を舐める。音を立て、犬になった気分だ。
俺は、両手を周央の頬と首筋に添え、がっちりとホールドした。
「んぅ」
押しつけるように舐め続けたせいだろう、俺の舌が勢いで、閉じられた周央の唇を分け入り、歯列を少しなぞった。
やっぱり、甘い。
「舌、出してみて」
「は? 何……」
「確認確認」
俺は言葉を発する為に開かれた口の中へ舌を侵入させ、周央の舌を舐める。うん、甘い。とにかく甘い。何かを連想させる甘み。
「んっあ」
俺は、奥に引っ込められる舌を追い、大きく口を開けて周央の唇に重ね、思いっきり舌を入れ込む。
周央の舌が拙く押し返し、絡んでくる。水音を立てながら、俺は周央の口腔内をくまなく舐め、吸う。
唇と歯の間、頬の内側、上顎、舌の裏側。
唾液。甘い甘い唾液の在り処を探して。
「……っはっ」
周央が苦しそうに、息継ぎをする。息継ぎさえ、甘い。
あ、そうかこれ蜂蜜だ。蜂蜜に似てる。
気づいた時には、俺の息子は、隠しきれないほど立派に成長を遂げていた。
知らず知らずのうちに、俺は周央を抱き寄せ、しかも、あろうことかでかくなった自分を、周央の内腿に思い切り擦りつけていた。気づいた俺は、慌てて周央から離れる。
「おっ……俺も風呂に」
「良い、要らない」
腕をしっかり掴まれる。
「わ、分かった、じゃあ確認! 確認したいことが!」
「確認事項多いな」
「そりゃ、当たり前だろ……どっちかが入れて、どっちかが入れられるんだよな? ほら、タチとネコ、って言うだろ、どっちが入れられる側になんの?」
「バカ。準備、してくるって言っただろ」
周央は紐を解き、バスローブを肩からするりと落として、あっという間に全裸になる。下着は着ていなかったらしい。
恥ずかしさの為か、首元まで赤く染まっているが、全体的に白い。白くて眩しい。
綺麗に伸びる手足。うっすらと全身に、万遍なくバランス良くついた筋肉。陶器のような滑らかな肌の上にふたつ、かわいらしい大きさの薄桃色の乳首。そして下を見る。俺のより白く、美しい性器が、薄い毛に囲まれ、そそり勃っていた。
不思議だ、全然嫌悪感とか、感じない。むしろ……
そういえば、周央が体育の授業前後、着替えてる時って、いままで俺どうしてたっけ?
そうだ、気恥ずかしくて、目を逸らしてたんだった。
気恥ずかしい? 何で?
「入れろよ」
ずい、と周央が接近する。俺の方に伸びてくる手は、やはり真っ赤だ。
「ぜっ、前戯とか、要らないのか?」
周央は、俺のベルトに手をかけ取り去る。そのままホックを外し、チャックを下ろす。手早い。というか、慌ててるのか?
「フェラ、して欲しい?」
俺のあそこが、びくんと脈打った。
いや正直過ぎるぞ俺の俺!
「えええええマジすかフェラしてくれるの!? や、じゃなくて!」
周央は、俺のズボンをあっという間に足首までずらした。
「周央が、俺のを入れてくれるんだろ? 俺、女相手のAVしか観たことないけどさ、ほら、入れるとこ、指で解すじゃん、そのまま突っ込むと、痛いんだよな確か?」
周央は、あー、と言いながら目を逸らした。
「な、だよな!? 周央にもそれ、した方が良いのかなって」
「……もう、してきた」
「は?」
「もう指3本まで入るくらい、ローションで濡らして、解してきた」
俺がベッドの上で、うだうだと考えている間にか? 浴室はガラス張りで、俺が覗くとも限らなかったのに?
よく見ると、周央の股の間にいく筋か、液体が垂れている。出どころは、つまり周央の。
「目の前でそんなことしてたら、当麻が、萎えるんじゃないかと思ったから」
視線を逸らしたまま、赤面して目を潤ませている周央がエロい。エロ過ぎて、下が爆発しそうだ。
「はあ? 男子高校生の性欲見くびんなよ、まだ出してもねえのになんで萎えんだよこんなエロいの見せられてんのに、バリバリ元気だっての!」
一気に言い放ち、自分でさっさと下着を脱ぎ捨てた。
「おらよ!」
俺は仁王立ちして、己史上最高にいきり勃った性器を晒す。
上から下を順に眺めた周央が、ふふっ、と微笑んだ。おお、今日は周央がよく笑う日だ。
「男がどうとか言ってただろ、そのことなんだけど」
「え、あ、ああ……?」
すっかり吹っ飛んでいた。あれ、俺、いつの間にか男とか、本当にどうでもよくなってる。周央相手だから、たぶんこうなってるんだろう、ということは……
考えている間に、周央がお辞儀をするような体勢で、俺の股間に頭を寄せる。
袋をふんわりと両手で揉み、軽く吸い、そのまま裏筋に舌先をじっくり這わせて舐め上げる。
「ぅわっ!」
ぞくぞくぞくっ、とつま先から頭の芯まで、快感が突き抜ける。
舌が先端の割れ目を押し開く。そのまま上の方が口の中に含まれた。幹の部分は、右手がそっと握り込む。
周央の頭と右手が、上下し始めた。
と同時に、周央の左手は、突き上げられた周央自身のお尻に充てがわれる。指先が、音を立てて吸い込まれる。
解される周央の引き締まったお尻と、直接刺激を受ける俺の性器。
幾度となく吸われ、擦り上げられ、舐められ、しっとりと濡れる。
俺の下と、周央の下から淫らな音が響く。
時折、周央が俺の反応を気にしてか、上目遣いで俺を見てくる。
くっそエロい。目の前に広がる光景が、これまで観てきたどんなAVより、なん百万倍もエロい。
そして、気持ち良過ぎだ。このままでは出てしまう。
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