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It’s too late to be sorry 謝っても、もう遅い4※
俺は立ったままシャツを脱ぎ捨て、周央の制服も、丁寧に一枚ずつ剥ぎ取っていく。全てを取り払い、露わになったきめ細やかな柔肌に指の腹を這わせる。身体を抱き寄せて、思う。
何で俺は、最初に抱いた時まで気づかずにいられたんだろう。
周央の肌はすべすべで、掌に吸いつく。身体を重ね合わせると、最初からそう決められていたかのように、ぴたりと一致する。落ち着くようで、昂るようで。
首筋に舌を這わせて、強く吸う。
「っん」
凄く、濃厚で甘い匂いがする。抱く度に驚いていた。
周央を抱え上げ、ベッドへ運ぶ。そのまま組み敷いて、軽く唇にキス。頬、首、鎖骨の辺りに舌先を遊ばせ、味わう。
下に少し下がり、薄桃色の小さな乳首を口に含み、硬く尖った乳頭を、舌先で転がす。
「っあ、んん!」
フェラしてくれている時や俺が突きまくってる時、周央が自分で乳首を弄っていたのを、俺は見逃していなかった。まあ、毎度綺麗さっぱり忘れさせられていたので、いつも記憶に残っていなかったのだが。いまは完全に思い出している。ちなみに体育館倉庫を訪れること三度目から、周央の仕草に気づいて乳首を責めていた俺、グッジョブ。
その様子の艶かしさを思い出し、また目の前で嬌声を上げ、快感に身を捩らせる周央を見て、下半身が疼く。
舐めていない方の乳首は、指で捏ね繰り回す。
前歯でやんわりと齧ると、
「ぁあんっ」
周央は声を上げ、腰を浮かせる。
「なあ、乳首ってどんな風に気持ちいの?」
舌で舐めながら、聞いてみる。
「っ、下のっ、んっ、先っぽに、はあっ、じんじんくるっ」
なるほど。
空いていたもう一方の指の腹を、胸、鳩尾、下腹部に這わせ、周央の硬く大きく膨らんだ性器に触れる。既に先走りで糸を引いていた。
「ん、っふ」
指先で濡れた先端を擦ると、周央の性器がぴくぴくと脈動する。
もっと、もっと感じさせたい。
乳首に軽くキスをして唇を離す。
普通は野郎のなんて触りたくもないし、そんな考え、一切起きない。
でも、周央のは違う。可愛がりたい、気持ち良くしたい。何より周央のは、鼻を寄せると甘くて熱い匂いがして、むしゃぶりつきたくなる。
「あっ、ダメっ」
俺が何をしようとしているのか気づいた周央が、両手で覆い隠そうとする。力が入っていないので抵抗になっていないし、その仕草で余計に煽られる。
熱くて白い竿を握り込み、優しく扱きながら、先っぽを舌でぐりぐりと分け入る。割れ目から、じわじわ滲み出てくる先走りは絶妙にしょっぱく、甘さを際立たせてもっと、もっと舌で味わいたくなる。
美味しい。
剥き出しになった先の方の縁にも舌全体を這わせる。
「はぁ……んぁっ、あ」
周央の腰が、誘うように揺れている。舐め続けると、俺の唾液と周央の先走りで、性器全体がどろどろに泥濘んだ。
一旦周央から離れ、セバスチャンがベッドの上に、抜け目なく置いていってくれたローションを手に塗りたくる。
片手は竿をもう一度握り、口は蜜を湛えた先の方へ。ローションで濡らした右手を、周央の窄まりに押しつけ、揉み込む。そして人差し指を、中にそっと差し入れた。
「んっ、あん!」
びくり、と身体を大きく揺らした周央の口から、一段と甘ったるい声が漏れ出た。窄まりの方は、可愛らしく俺の指を食べていく。根元まで挿入すると、俺は水音を立てながら、指先で中を探り始めた。
「んー? どこかな……」
「んあっ、あ、の」
「うん?」
「な、にか、あっん、探して、る?」
「うん」
余裕があると判断した俺は、中指を追加する。
「んんんっ」
声の振動が直接性器を刺激するよう、唇をわざと先端に触れさせ、説明する。
「前立腺っていうの? すげー気持ち良くなれる場所があるんだってさ。こりっとしてるらしい。あー、ここかな」
「ひうっ、あああぁっ!」
叫び声。周央の身体が大きく跳ねる。
「ここ?」
「ひああっ、はぁ、んんっ、んあっ」
なるほど、確かに集中して触ってみれば、他の場所よりやや硬く、こりこりしている。俺は、周央の先の方から口を離し、指の腹で、優しく擦る。触るたび、周央の前も後ろも、びくびくと震える。
「あっ、やっ、あああっ、や、めてっ!」
前立腺を、繰り返し、繰り返し撫でる。快感が強過ぎるのか、周央は全身を紅潮させ、涙を流し、涎を垂らす。焦点が合っていない。
「やぅ、んんっ、いっ……やぁん! や、めて、あっ!」
額に汗を滲ませて身体を揺らし、仰け反り悶える。逃げられないように、周央の腰を鷲掴みにする。
「も、やっ、イくぅ、イ、ちゃう、からっ! やめっ……や、ああああああ!」
びくんっ、と背骨を逸らし、白濁の液体を撒き散らした。長く吐き出されるそれは、俺の顔にも飛び散る。
口の横についたものを腕で拭い、舌で掬い取った。周央があんなに抵抗していた性器を口に含み、精液を舐める、を達成。周央を俺のものにしてる、って感じだ。
ふっ、と口元が緩む。
「うっ、ん……はぁっ、へん、たいっ」
あえぐ周防の真紅に染まった唇が、てらてらと光る。唇だけじゃない。達した後の身体中が、精液や汗、涎で、艶やかに美しく、そして淫らに輝く。
いままで見たこともない程強く、色香に溢れた姿に、
「凄く綺麗だ」
俺はきつくなった下の服を脱ぎ去った。
覆い被さり、キスをしながら、熱く腫れた性器を、周央の下腹部に、腰を揺らして擦りつける。
周央の出した精液と俺の性器が擦り合わさる音と、俺が周央の口の中を舐めまわす音、ふたつの水音が響く。
「ん、ふっ」
「はっ、はあっ」
お互いの息が上がったところで、俺は膝立ちになり、周央を引っ張り上げる。両脚を開き、そそり勃った自分の性器の上に周央を誘導。先端で周央の入り口を探り当て、思い切り深く座らせる。
「やっ、ああああああっ!」
勢いよく、周央が射精した。
俺は周央の内部で、かなり強いうねりを感じて、
「んっ、はっ……く」
周央の身体をぴったりと抱き寄せる。しっとりと汗ばむ肌の感触と、重みを全身で味わいながら、耐える。
まだだ、まだ。
「も、ひどいっ……僕っ、出した、んんっ、ばっかりだったのに、はあっ、またっ」
周央は俺の腕の中で、羞恥に打ち震えつつ、か細い声で抗議し、涙目を伏せる。ああ、最高にエロ可愛い。
再び俺の欲望がピークを迎えそうになるが、なんとか踏ん張った。そのままの姿勢で、嵐が過ぎるのを待つ。
少し気が抜けて、また、ふはっ、と笑ってしまう。
「……何」
「ところてん」
周央はむくれた表情で、手のひらでぱしぱしと叩いてくる。
その腕を取り、俺の首に巻きつけさせる。唇を近づけて、キスをする。
合わせるだけのキスの後、厚い下唇を、少し歯を立てて甘噛みする。じわりと唾液が溢れてきて、俺はそれを音を立てて吸い取った。
「んんっ」
周央が、俺の髪に優しく指を絡め、積極的に舌で応じる。俺は、両方の親指で、周央の乳首を捏ねくりまわし、更なる快感を与える。
すると、周央の中が大きく波打った。
「あっ、当麻! と、うまぁっ」
「何だ?」
「う……ん、ふっ、すっごく、おっき、い」
息も絶え絶えに、耳元で囁く。
「どんどん大っきく、て、硬くなって、きてる、お腹の」
「くっ、あ!」
出そうになる。耐えた。
「ああっ!」
辛抱堪らず、繋がったままの状態で再びベッドへ押し倒す。膝を割って、股を開かせて。
腰を引き、音を立て、再びゆっくり押し込む。
「ん、や、ああっ!」
周央が、激しく首を振る。
「どした?」
「あっ、さっきの、ところ、と、奥、んあっ、あたって、るっ」
喘ぎ声が、さらに甘さと艶やかさを増す。
「やっ、あぁ! あふっ、んんっ」
「きもち、い?」
ゆっくりとしたリズムで、周央の良いところを擦れるよう、抜き差しを繰り返す。
「う、ん……すっご、く」
「はっ、だろうね。うねりが、凄くて。俺も」
口が弛緩する。流れ出る涎と滴る汗を、腕でぐい、と拭う。
「気持ち、良い。自分で、分かる? 中、どろどろの、ぐにゃぐにゃに、熱く溶けてんの」
「ふ、あぁ」
また、周央の目元から涙が溢れる。
「溶けて、あふれ、そう」
「はっ……おれ、も」
重ね合わせた肌も、周央の中に包まれた性器も、それがそれだと認識できなくなる。
心と身体を圧倒的に支配する、高揚と快感。
体温と匂い、呼吸と分泌された諸々の液体、感覚と感情の境目すらも、無くなる。
「も、おかしく、なる」
唇を重ね合わせる。とろとろの甘い蜜で溢れて、蕩ける。
全部が溶けて、合わさって、完全にひとつになる前に。言わなきゃ。
「周央……直、っは、直」
好き、じゃもう全然足りない。ありったけを込める。
「直、愛してる」
溶けかけた周央がぶるるっ、と震え、ぐうっ、と一瞬感じる圧迫感。そして、
「っ、ああああああっ!」
一体どちらの叫び声だったのか。俺も周央も、一緒に昂りを解き放った。
俺を掴んでいたはず腕が、ぽて、とベッドに落ちる。
「……おい、直? 直!」
周央直は、気を失っていた。
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