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第22話 お邪魔してもいいかな
「ああ、いいかも知れないね。その方がラスクもスッキリするだろうし。でも、おれはどっちかって言うと帰ったら素材がテーブルに置かれてた事件の方が気になるけど」
「うん、昨日はホロホロ鳥だった」
「ホロホロ鳥!? あのでっかいの!? 気のせいとかのレベルじゃないでしょ!? 絶対に誰か入り込んでる!!!」
「うん、だから今日、ちょっと仕掛けしてきたんだ」
「仕掛け?」
「ベッド横の壁に、記録石置いて不在時の記録が取れるようにしてきた。あの位置ならベッドはもちろんテーブルも玄関も見渡せるし、なんか動いた時だけ記録するタイプの記録石だから、入ってきたヤツも分かると思うんだよね」
「おお! なるほど、考えたな!」
「今日帰るのが楽しみで」
「おれも一緒に行こうか?」
「んー、でも今日は冒険者ギルドにも寄りたいから、大丈夫」
「そうか、困ったらいつでも言うんだよ?」
「ありがとう!」
優しいお兄さんの顔になったヤクルさんに元気よく答えて、僕は気合いを入れて薬の調合を始めた。早く仕事をこなして、予定通り早く帰らないといけないからね!
そうして早々に仕事を終わらせて向かった冒険者ギルド。
アンドルーさんにあれから結局真っ黒ワンコが家までついてきて、実は今飼っているんだと話したらもちろん面白そうに笑われてしまった。
「人間の言葉も分かってるみたいだし、魔物とも戦い慣れてるし、色々考えた結果元々の飼い主は冒険者だったんじゃ無いかって思うんですけど、何か情報ないですか?」
そう尋ねた僕にアンドルーさんはうーん……と唸って首を振る。
「そんな話は聞いたことが無いね」
「そうですか……逸れただけなら、元の飼い主さんも探してるんじゃないかって思ったんですけど」
「そんなすごい冒険者とデカイ犬だか狼だかのコンビなら、情報が出回ってもおかしくないけどな。ただオレにもちょっともしかしてって思い当たるところがあるんだが」
「えっ!?」
「できればその真っ黒ワンコとやらを見てみたいんだが、今はラスクの家に居るんだろう?」
「はい! 鍵かけてきてるから、今なら絶対大丈夫です!」
「そっか、じゃあお邪魔してもいいかな?」
「はい!」
まさかアンドルーさんを家に招く日が来るとは思わなかった。
ちょっとワクワクドキドキしつつ、アンドルーさんと一緒に自宅への道を進んでいく。道々僕が話すネロとのどうでもいいような日常の話もアンドルーさんは面白そうに聞いてくれる。本当にお父さんみたいだ。
「あ、アンドルーさん、もう僕の家すぐそこです!」
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