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第15章 媚薬2※

「悪い。おまえが気持ちいいのなら止まってやれねえ」 「そんな、や、あっ……あん!」 「やべえ……今の声、すっげえ(そそ)られる。もっと聞かせて」  言葉とは裏腹に僕の身体は、どんどん熱を持ち、マックスさんの愛撫を喜んだ。 「なあ、気持ちいいか?」  掠れたマックスさんの声と吐息を耳に感じて身体が小刻みに震える。  マックスさんの目がはちみつのようにとろけ、頬が上気している。 「もっと気持ちよくしてやるからな」  そう言ってマックスさんの頭が下がる。 「マックスさん……っ、駄目。……汚いから……いやあっ!」  口淫をすることはあっても、されたことはない。  マックスさんの大きな口の中に僕のペニスが、飲み込まれていった。 「あ、うっ……んー……」  温かい口の中は唾液でヌルヌルしている。やわらかい舌でペニスの先や幹を舐められ、マックスさんの厚くてやわらかい唇に翻弄される。  知らない、こんなの知らない!  マックスさんが頭をゆっくり上下させる。  その間も手で睾丸をマッサージをするみたいに揉まれる。そうかと思ったら会陰の部分をそっと指先で撫でさすられて、たまらない。 「あ……んぅ……ん……」    口ではいや、駄目と拒絶しても僕の身体は反応していた。  どんどん僕の中で熱がたまり、グルグルと身体の中で巡る。  どうしよう……このままじゃ、マックスさんの口の中に出しちゃう……。  エドワード様のものを何度も口で受け止めてきたから精液が青臭く苦いことも、生温く粘ついていて飲むのに苦労することも知っている。 「だめ……出ちゃ、イッちゃうから……」  マックスさんの頭に手を置き、彼を離そうとする。  しかし、マックスさんは応じてくれない。むしろ舌の先で見せつけるように鈴口をなめる。 「なんで? 好きなときにイけばいいだろ……?」  手と口を使っての愛撫が再開される。  腰が震え始める。睾丸がキュッとなり、我慢汁がひっきりなしに出ているのも、鈴口がヒクヒク口を開閉しているのも全部彼に伝わっている。  もう爆ぜるギリギリのところだ。  だけどマックスさんは僕のことを離してくれない。今もいたずらにペニスの先端に口づけたり、裏筋の部分に舌の先を這わせている。 「まずいから……飲んじゃ、だめですよ……」  グスグス泣いているとマックスさんの目に火がつく。  なんで怒って……? 「いやだね」 「え、あの……なんで、」 「おまえの身体はオレのもの、オレの身体はおまえのものだ。だから全部飲む」 「そんな、だめ……だめです。マックスさん……!」  彼は、静止の言葉を聞かずに頭を激しく動かした。  どんどん、快感がせり上がってくる。  怖くて逃げるような素振りをしたら、彼に太ももを摑まれてしまった。 「あっ、あ……ん……いや、あ……ううっ!」  子犬が甘えるような声を出して、彼の口の中で果ててしまった。  射精を止めようと思っても、我慢できない。断続的に出る。その間、彼の頭をギュッと抱きしめ、足の先がキュッと丸まる。  残滓まで吸われ、「んぅ……」と小さく鳴いてしまう。太くてがっしりした首のくっきりと浮かんだ喉仏が動く。  どっと疲れを感じて、手足を布団の上に投げ出す。全身が多幸感に包まれていた。  気持ちいい……。  ため息というよりは、どこか熱っぽくて、色っぽい吐息をマックスさんがつく。  心臓が忙しなく動く。 「いっぱい出たな、いい子だ」と微笑まれ、頬を撫でられる。  自分の精液の味がするのなんて、関係ない。  彼の髪をかき乱しながら口づける。何度も角度を変えて彼の唇を唇で食み、互いの舌を擦りつけ合う。  腹部に固いものがあたる。不思議に思い、あたったものに触れる。  マックスさんのズボンは中に入っているものが布地を押し上げていて、ずいぶんと窮屈そうだった。  困り果てているマックスさんを前にして、口の中が唾液でいっぱいになる。  いそいそとバングルを外し、ズボンのボタンを外す。 「待てよ、オレはいいって!」 「駄目、ですか……触られるの……いや……?」  小首を傾げて、おねだりをする。  ぐっとマックスさんが息を呑み、蚊の鳴くような声で答える。 「駄目じゃねえけど……」 「じゃあ……僕の好きにさせて……ね?」 「お願いします」となぜか敬語口調のマックスさんが、おかしい。  マックスさんのものを下着の中から取り出す。 「おっきい……」  大きな体躯に合わせた剛直が現れる。血管が浮き出た赤黒い男根。それが僕の手がわずかに触れるだけで、ビクビクと震える。マックスさんも艶めかしい吐息を吐き、凛々しく形のいい眉を八の字にする。  マックスさんのものを口の中に入れる。歯を立てないように細心の注意を払い、唇で包み込む。口の中に全部含めなくて、残りは両手を使う。  厚い胸を上下させ、腹筋のついた腹部が痙攣する。 「すっげえ、気持ちいい。……ルキウス……上手だ……」  お世辞だとしても褒められてうれしくなる。やさしい手つきで髪を撫でられたり、顎の下や頬を擽られる。舐めていて、こんなに気持ちいいのは初めてだ。  なめているうちに僕のものもふたたび兆して、トロトロと我慢汁を垂らす。 「頑張ってくれてありがとな」

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