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第18章 そばにいたい2※

 ネグリジェにガウンを羽織っただけの心許ない格好でマックスさんの部屋の前に立つ。緊張で震える手でノックをする。  するとラフな格好をしたマックスさんが出てきて扉を開け、部屋野中へ招かれる。 「どうぞ」 「……失礼します」  フカフカの絨毯が敷かれた部屋へ足を踏み込む。  中は精巧な作りのランプの明かりがついた幻想的な部屋だった。  天井の窓ガラスの向こうに満天の星空が見える。  まるで王様が眠るような天蓋つきのベッドの上にはクッションがいくつもあった。  ベッドの横にある小さなテーブルにはレモンの入った水差しとグラスがふたつ。それから軟膏の入れ物とタオルや小さな桶が置かれていた。  部屋の隅では香炉が焚かれ、甘くエキゾチックな香りが漂っている。  マックスさんに手を引かれてベッドの上に乗り、対面する形で座る。 「緊張している?」  リボンをしていない赤い髪をマックスさんが一房手に取り、口づける。 「そうですね。その、まぐわうのってすごく痛いですし、前回マックスさんのものを見させていただきましたが、大きいですから。僕の中に入るかわからなくて……マックスさん?」  急に頭が痛そうなポーズをとるマックスさんに不安になって、声を掛ける。 「ルキウス」 「はい」  髪から手が離れ、右手の指先をそっと摑まれる。 「前回淫魔に媚薬を身体に打たれたときのことだが、オレの手や唇は、おまえを傷つけたり、おまえの身体を痛めつけたか? どうだ?」 「いえ、そのようなことは……とても気持ちよかったです」  指先や手の平にマックスさんの唇が触れる。 「オレに口づけられたり、抱きしめられるのは気持ち悪いか?」 「そんな、マックスさんに触れてもらうのがいやな訳がありません! すごく安心するし、胸が温かくなります」 「じゃあ、抱き合うときもそれを感じてほしい」とマックスさんの手が僕の頬に触れる。「もちろんいやだったり、気分が悪くなったら途中でやめる。無理強いは絶対にしない」  触れるだけの口づけをされ、頬を指先で撫でられる。 「オレのことだけを感じてくれ」  お互いの衣服を脱がし合い、裸になる。  マックスさんの口づけを受け入れながら大きなベッドの上に横たわる。  何度も角度を変えて唇を重ねる。互いの舌を絡め合い、舐め合う。  マックスさんの手が僕の身体に触れる。  僕も、彼のやわらかな髪を梳き、頭部や彼の耳や腕に触れる。  乳首をなめられ、吸われ、指先で愛撫されているうちに僕の性器は首を(もたげ)始めた。  身体がほてる……体内の熱を逃がすように息を吐いた。  マックスさんの身体もどんどん熱くなる。徐々に(はだ)が汗ばみ始めてしっとりしている。  彼の唇が胸部から腹部を辿り、僕の兆した性器に触れる。 「……マックスさん」 「ん?」 「僕もあなたに触れたいです」 「触れてくれているだろ? 気持ちいいよ」  そのまま僕の性器はが彼の温かく、ぬめった大きな口の中へ飲み込まれる。 「ちがっ……そうじゃなくて、んんっ……!」  彼の髪を右手で摑み、左手で口元を押さえる。 「じゃあ、なんだ?」  甘く掠れた声で問われる。 「……上に乗ってもいいですか?」 「えっ?」とマックスさんが、素っ頓狂な声を上げる。 「僕もあなたのを、その……なめたいです。駄目ですか? 僕が上というのがおいやなら下になります」  こんな恥ずかしい言葉を口にしたのは初めてで、声が震える。不安と期待で頭と胸が、どうにかなってしまいそうだ。  じっとり汗ばんだ手を組み目線をうろつかせる。  ゴクリとマックスさんが息を呑む音がした。 「いいのか?」 「はい。いやでしたら……」 「いやじゃねえよ! ……一緒にしよう」  抱きしめられたかと思うと、マックスさんが僕の腕を引いてベットに寝転んだ。  彼の身体の上に乗り、マックスさんの潤っている唇を吸ったり、唇で食む。  そのまま手をマックスさんの胸から腹部、そして僕の身体にあたっている固くて熱いものに触れる。すでに先端の鬼頭は濡れていた。 「ルキウス……うっ……っ!」  眉を寄せてどこか切ない表情を浮かべるマックスさんに微笑む。  身体を反転させ、彼のビクビクと震えているものにふたたび手で触れ、口づける。  彼の大きな手で臀部をいやらしく撫でられ、揉まれる。熱い吐息が僕の勃起しきったペニスにかかる。そのまま先を含まれたかと思うとグッと手に力が入り、腰を落とすように促される。そのまま彼のねっとりとした口淫が始まり、足が小刻みに震える。  彼の喉の奥を突かないよう、腰を落としすぎないように注意する。少しでも気を抜けば、そのまま膝から力が抜けて彼の顔に下半身を押しつけてしまいそうになる。  ため息をひとつついてから彼のものをなめ、口の中に含む。  大きくて口に含みきれないところを手で擦り、顎が疲れたら手で睾丸を揉みつつ彼の血管がくっきり浮かんだ幹に舌を這わせる。  足元でカチャッと小さく音がした。  なんだろう?   ぼんやりする頭で考える。  瞬間、僕は身体を強張らせ、マックスさんの顔がある方へ振り返った。

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