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第120話 川上優太郎の言い分

陵辱シーンです。苦手な方はご遠慮下さいますよう。 ---・---・---・---・---  だが、周はたっぱはあるもののそんなに筋肉質な方でもなく、同じくらいの体格相手に簡単にはいかなかった。 「なにやってんだよっ! お前ら!」  揉み合いになっているところに、他の二人が割り込み周を引き剥がす。 「なにって、新しいネコ躾けてるだけじゃん」 「お前がなかなか手ぇ出さねえからさ、もういらねえんだと思ったんだけど?」  下卑た笑みを浮かべてしゃあしゃあと言ってのける二人は、二人がかりで羽交い絞めにして、三人目に行為を促した。 「今更だろ? アレ使ってっから、中に出してやらねえと辛いだけだぜ」  穿ちながら、ギラつく眼差しで周を見据える。 「周もやりてえなら順番守れよ、俺で一巡するから」  その言葉に、抗っていた周の力が抜けた。  恐る恐るこちらへと向けられた視線が絡む。  はっきりとは見えないけど、多分、未遂じゃなくてもう進行中であることを知って、がっかりしたんだと思う。  だってさ……周は、言ってくれたよな。  体も心も欲しいって。  それって、心はともかく、体は真っ白なままがいいってことだろ?  見ていないならともかく、目の前で体を開かれて、犯されている俺を見て……そんなの、もういらないだろ。  それとも、慣れていたら大丈夫なのかな。  皆で共有して、体は使い回しで。心だけでも自分に向いていたらいいの?  だって、今までので解ったんだ。いくら俺でも。  中和剤は、全員が持ってる。そして、射精後に緩和される痒み。そう、つまり、あの薬剤が染み込んだ部分に精液が触れることで痒みが中和されるんだろう。  川上は三日って言ってた。それから、その時以上の量を入れたとも。  だったら、一体この痒みは何日続くんだ?  最初に突っ込まれる前のあれがまたやってくるなんて、しかもそれが何日も続くなんて──絶対に耐えられない。  川上も気が狂いそうって、それなら俺だってそうなる。それを緩和させるためには、受け入れ続けるしかなくて。  女じゃないから、何人に何回されようが妊娠するわけじゃない。  そう、割り切ってしまえば。  何もなかったときなら悩んだろう。だけど、もう俺はこの体に三人受け入れてしまった。もう人数も回数も関係ないしどうでもいい。  耐えられない痒みより、そっちを選ぶよ……。  男の動きに合わせて、視界が揺れる。  ぐっと太腿を押さえつけて奥まで捻じ込まれて掻き回されて、吐き気を催す。それでも、性的な快感はないけれど、痒みからの解放という意味での快感があるのは確かで、声が出せなくて助かったと初めて思った。もしかしたら、媚びたり嬉しがらせるような甘い声が出ていたかもしれない。  それくらいに強烈な刺激だから。 「はは、なんか気持ち良さそうじゃないの。適性あったんだねえ霧川くん」  くすくすと川上が笑い、キッと周が睨み付けた。 「優太郎! お前、なんでこんなこと……っ」 「なんだよ? 僕はやってないよ」 「やらなくても手引きしたのはお前だろう!」  以前に同室者だと言っていた周は、未だ羽交い絞めにされたまま振り返るように川上を睨み据え、川上はひたすら嬉しそうに場所を移すと、周のすぐ傍のベッドに腰掛けた。俺ともう一人がいる方とは別のベッドだ。  立ったままの三人を見上げる形でゆっくりと腕を組む川上の瞳は煌き、今まで見た中で最高潮の愉悦を表している。 「ぜえんぶ周のせいだよ」 「なに……」 「周が、定期的に僕を抱いてくれていれさえすれば僕は満足だったんだ。例え他の何人の相手をやらされようともね。だけど周はそいつに現を抜かして他の誰も抱かなくなった。他のネコだって寂しがってただろ? だけど他に抱いてくれる相手がいるやつはそれでいいんだ。  けどっ! 僕はただ突っ込まれるだけだ! ちゃんと抱いてくれたのは、黒凌時代からただひとり周だけなんだよ! だから、だから俺は……っ」  頭を抱えて哄笑し始めた川上は、気が触れているとしか思えない。焦点を失った目は、それでも周に向けられていた。  周は言葉を失い、ただ呆然とそんな川上を見つめていた。魅入られていたといってもいいかもしれない。 

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