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第45話 おでかけ
街を三人で歩くと、先輩はハルマの横にピタッとくっつく。
はたから見るとイケメン同士そっちがお似合いだ。
現に、モデルのスカウトに話しかけられたり、BL系のイベントのチラシをもらったりと、二人が放つ色気は人を惹きつけてしまう。
先輩が何かにつけてハルマの肩や腰に手を回すので、いちいちそれを振り払う。
エレベーターや混んだ電車に乗る時も、ハルマが押しつぶされないように、先輩が壁になってあげている。
俺だってやってないわけじゃないけど、先輩がやるとちゃんとエスコートに見えるから不思議だ。
電車のときは、ハルマをドア側に立たせつつ、もうハルマを抱きしめてるも同然だった。
混んでるし、声をかけるわけにもいかなくて、されるがままだ。
ハルマも困惑した顔だ。
まあ、困惑した顔も可愛いけど。
もしかしたら、ここからは見えないけど、先輩からエロ〜く触られているかもしれない。
でもこんなとこで声をあげるわけにはいかないよね。
高まるハルマが、電車をおりたあと、逆に先輩にもっとおねだりするとか……。
……
…………
………………
可愛いな、それ。
悪魔に快感を教えられちゃった天使かぁ……。
混み合う電車からようやく出て、ホームにおりると、二人も出て来た。
先輩がハルマの手をつないでいる。
「ちょっと……触りすぎですよ先輩……。」
「人混みではぐれないようにだよ。」
一応、彼氏として注意はするけど、それおいしい。
今日は駅前にあるビッグバーガーというのを食べに来た。
わざわざフォークとナイフで切り分けるタイプの、アメリカンなバーガーだ。
先輩は、さっさとハルマの横に座る。
そして料理が届くと、ハルマの分も切ってあげている。
それどころか、あーん、してあげる。
最初は断っていたハルマも、先輩の執拗なあーん攻撃に渋々応じている。
「ソースついてるよ。」
そりゃ、お前があーんでつけたソースだよ!
と心の中でツッコむ。
先輩は指でハルマの口元を拭い、その指を舐める。
うう……エロい……。
目の前でBLドラマを見せつけられているみたいだ。
その後、水族館に行ったが、水槽のトンネルを眺めているハルマの後ろに先輩は立ち、両手で手すりを掴んでいた。
ほぼ、バックハグも同然ですよね……。
その後のソフトクリームの食べ合いも、エロいエロい。
先輩は一口ちょうだいと言って、ハルマのソフトクリームを持つ手を引き寄せ、ペロリと舐める。
しばらくハルマが食べ進めると、
「ハルマの……おいしいね。もっとちょうだい……。」
と言って、ハルマのソフトクリームをはんだ。
「俺のもどうぞ。」
と言われて、ハルマは口元に差し出された先輩のソフトクリームを控えめに一口食べる。
うん、ハルマのがおいしいのはオレも知ってる。
先輩のも、口元に持ってかれたら思わず舐めちゃうのもわかる。
いや、ホント、俺のエロ妄想も大概だが、先輩には敵わないやぁ。
ごちそうさまでした……。
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