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第14話

自由。 息子にはその意味が分からない。 物心ついたときからずっと父親を求めてきた。 この世界で唯一息子に優しくしてくれる人、として。 父親とのセックスも父親とより近くにいられることだから、拒否したいなんて思わなかった。 小さな身体で痛くて泣きながら、でも父親を受け入れた時も、父親が愛してくれるなら、それで良かったのだ。 男によって父親の意図が明らかにされても。 それでも息子には父親が全てだった。 男はそれ以上その日は何も言わなかった。 息子も何も考えられなかった。 男に連れられ、別荘に戻った。 そして、父親は夜別荘に戻ってきた。 息子を抱いた。 いつものように、当たり前に。 服を自ら脱ぎ、息子が自分から父親のモノにむしゃぶりつくのもいつもと同じで。 喉から犯されることさえ同じだった。 そう、息子は思い出す。 息子は後ろでやっと気持ち良くなれた頃だって、喉を犯されるのは苦しかったことを。 でも。 この苦しいことのあとに、何度もイカせてもらえることを考えて耐えているうちに、苦しいのが気持ち良くさえなった。 喉が塞がれ、苦しくて、なのに今では喉奥ですら感じてしまって。 息子も今なら分かる。 苦しさから逃げるために、息子はこれを快感にした。 父親は絶対にやめてくれないからこそ。 でも。 父親を独占できるセックスは、誰にも愛されない子供には唯一の行為だった。 苦しい時でさえ、父親に触って貰えるのは誰にも触れて貰えなかった子供にはそれでも悦びだった。 誰にも触れて貰えない、抱きしめてもらえない子供の孤独を父親はセックスに利用したのだ。 飢えた愛情を、抱きしめられる悦びを、全部セックスに置き換え、それで支配した。 父親の引き締まった尻や逞しい腿に指を立てしがみつき、父親が容赦なく喉を犯すのを息子は耐える。 それは苦しいだけだった時からずっとそうだ。 でも今は、快楽に耐えている。 突かれる度に、触れられていない性器が甘く疼き、穴も乳首も、感じる場所全てが、この後してもらえることへの期待で、切なく痺れていく。 咥内の父親の味、感触、大きすぎて無理やりなことさえ、不快であるはずのことを、脳は気持ち良い、とメッセージを書き換えてくれている。 これに耐えられるように。 容姿なく思いやりなく、父に突かれている。 呻き、えづき、なのに甘くてたまらない。 泪を流す目で父親を見上げる。 ああ、息子を見下ろす父親の顔は美しい。 そして楽しそうに笑っていて。 笑ってくれていて。 それを見てしまったなら父親がイクのを待たずに射精してしまった。 「私がイク前にいってはいけないだろ?悪い子だ」 父親は甘く言った。 申し訳なくて、でも絶頂から下りれなくて、息子は痙攣しながら泣く。 でも、父親はその喉を更に存分に楽しむ。 父親が達した時、息子は2度目の射精をしていた。 むせて苦しみ父親のそれを飲み干す。 射精しているのに、身体は飢えきってきた。 飢えているから、1滴もこぼすまいと父親のものを吸い、しゃぶる。 そして、後ろに欲しくて仕方ない。 息子はこれが始まりだと教え込まされているからだ。 だが父親は今日はすぐにそこを満たしてくれなかった。 父親は今日は父親の寝室で息子を抱いてくれている。 ベッドに座る父親に息子は跪いて、奉仕していたのだ。 今は床に精液をぶちまけへたり込んでいた。 喉奥を犯されただけで、二度も射精し痙攣して震えている息子の身体を父親はやさしく抱き上げて、ベッドに横たえた。 いつもなら尻を持ち上げ後ろから犯すか、脚を広げて前から貫くか、色んな姿勢で穴の奥まで楽しむのに。 今日の父親は息子を焦らすことにしたらしい。 息子の上にのしかかり、その乳首を味わい齧り始めた。 息子はうっとりと父親の顔が近くにあるのを見ていた。 父親の顔は初めてここを可愛がってくれたあの頃と変わらない。 父親は歳を取らない。 美しい男らしい顔が、息子の胸の上にあり、その形の良い厚みのある唇が、女性のように発達した息子の乳首を含んでいる。 幼い頃からそこを弄られ、息子のそこはもう男性のモノとは思えないほど、ぶっくりとし、とがり、いやらしく色付いている。 真っ白な胸で父親欲しさに尖るそこは父親が楽しむための器官になってしまっている。 父親が笑う。 そこを吸い、舐めながら。 その顔が目が。 そこを舐める舌と同じくらい息子を感じさせてしまう。 気持ちい 気持ちいいい 吸って・・・噛んでぇ!!! 息子は父親の綺麗な頭部を抱きかかえ、もっとして欲しいと叫んでしまう。 噛まれながら吸われること 噛まれて痺れたそこを舐められること。 どれもがペニスを震わせ滴らせ、穴の奥を疼かせてしまう 欲しい欲しい 息子は叫ぶ。 気持ち良いけれど、もっともっと、穴の奥まで父親が欲しくてたまらなかった。

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