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第11話 初めての練習
「ひゃぅっ」
「初めての割には感度良好だな」
「ふぁっ」
「まだ少し肋 が浮いてるか」
「ひっ」
「もう少し栄養のいいもん食わせねぇとな」
「ふぅっ」
「……おまえ、エロすぎだろ」
「ひんっ」
乳首をペロッて舐められて体がビクッてした。はじめは動かないように頑張っていたけど、どうしても体が勝手に動いてしまう。藤也 さんが話していることもよく聞こえなくなってきた。だって、あちこち舐められるとそっちが気になってちゃんと聞くことができないんだ。
(ちょっと、待って、)
そう思ったけど言えるわけがない。俺のための練習なんだし、何があっても頑張るんだと思ったばかりだ。
(そう思ってたけど、やっぱりムリだ)
そもそもお風呂上がりの藤也 さんを見た瞬間にからムリだと思った。心臓がギュッとして痛くなるし、顔が熱くなって何も考えられなくなった。
「じゃあ、始めるか」
その言葉だけで俺の頭は真っ白になった。
いっぱいキスされて、口の中をたくさん舐められた。耳も舐められ、何回かガジガジ食べられたような気がする。首も胸も、それに腕も手の指も舐められた。おへそを舐められたときは、ちゃんと洗っておいてよかったと思った。
それから太ももにチュッチュッてキスされて、膝を舐められた。足の指を食べられたときにはさすがに逃げたくなった。それでも我慢していると、今度は乳首をパクッと食べられた。チュウッて吸われたりカリッて噛まれたりするたびに、首の裏側がゾクゾクして大変だった。
噛まれるってすごいんだ。本当なら痛いはずなのに、噛まれるとビリビリして首の裏側がゾクゾクする。変な声も出そうになった。だから何回も唇をぎゅうっと噛み締めた。
「声、我慢すんな」
「……っ、だって、」
「せっかくの可愛い声だろうが」
「……へん、だか、ら……っ」
「変じゃねぇよ。そういう可愛い声を出させようとしてんだよ」
「ひゃぅっ」
藤也 さんは可愛いっていうけど、俺にはそんなふうに聞こえない。いつもと違う高い声で本当に変なんだ。
「おまえがイイ声出せば俺も気持ちがいい。おまえが気持ちいいってわかるからな」
本当だろうか。こんな声、自分で聞いても気持ち悪い。それでも藤也 さんの言ったことを信じたくて、そうっと藤也 さんの顔を見た。
「声、変じゃ、ない……?」
「あぁ。だから我慢したりするな。気持ちいいときは素直に気持ちいいって言っとけ」
(そっか、気持ちいいと俺、あんな声が出るんだ)
気持ちがいいと変な声が出る。それを聞くと藤也 さんも気持ちがいい。そう思ったら首の裏側がもっとゾクゾクした。それが背中まで下りてきてゾワゾワしてくる。
「おまえの可愛い声を聞いただけで、ホラ、こうなるんだよ」
お腹に硬くて熱いものがグリグリ当たっている。何だろうと思って見ると、モジャモジャした毛から大きなものがビーンと伸びているのが見えた。その横に、俺の小さいものが見える。
(……すごく、大きい)
思っていたよりも大きかった。びっくりするくらい大きくて、それにビクビク動いている。
「心配すんな。最初っから突っ込んだりはしねぇよ」
男同士はアレをお尻に突っ込む。女の人にも突っ込む人がいるらしいけど、男の俺に突っ込めるところはお尻しかない。なのに藤也 さんは突っ込まないって言った。
(……突っ込んでいいのに)
それに突っ込まないと練習にならない。練習できないと、俺は役立たずのままになってしまう。藤也 さん専用になれなくなるかもしれない。
「突っ込んでも、いいのに」
思わず言ってしまった。
(しまった)
いまのは絶対に余計なことだ。きっと怒らせてしまう。そう思ってそうっと見た藤也 さんの顔は、やっぱり怖くなっていた。
「あ、の……、俺、」
謝らなきゃと思った。謝って、許してもらわないと。
「俺、ちゃんとれんしゅ……んっ、んんっ!」
謝ろうと思って口を開けたら藤也 さんにキスされた。いつもみたいな優しく口の中を舐めるキスじゃなくて、ガブッて噛みつくようなキスだ。
せっかく鼻で息ができるようになりそうだったのに、またできなくなった。苦しくてたまらないのに、初めてのキスの雰囲気にゾクゾクしてくる。
「……おまえ、本当に危ねぇな」
苦しくて耳がキーンとしているからか、藤也 さんの声がよく聞こえない。代わりに藤也 さんを見ようと思って、ゆっくりと目を開けた。
目の前に藤也 さんの顔があった。怒っているのかと思っていたけど、何となく笑っているように見える。
「簡単に処女を差し出そうとするな」
「しょじょ、」
「あー、駄目だ。言わせるだけでやべぇな。いや、そっちも仕込み甲斐があるってことか」
「しこみ……?」
「いい、気にすんな。とにかく今日は突っ込んだりはしない。ちゃんと慣らさないといけねぇからな。それは明日からだ」
「……はい」
よかった、怒っていなかった。それに明日も練習するって言ってくれた。俺はまだ藤也 さんの側にいられるってことだ。
「ハァ、明日から本格的にヤルって言ってんのに、なんで嬉しそうな顔するかな。いや、そういうところも堪らねぇとは思うが」
藤也 さんの指が何度も俺のほっぺたを撫でる。頭を撫でてもらうのも好きだけど、ほっぺたをこうやって撫でてもらうのも好きだ。気持ちよくて嬉しくて、ふにゃりと笑いたくなる。
「……よくこれまで無事でいられたな」
「へ?」
何を言われたのかよくわからなくて聞き返そうとしたら、またキスをされた。今度はチュッてしてから優しく口の中を舐めるキスだ。キスをしながら藤也 さんの手が乳首を撫でたり摘んだりした。そうしたらお腹のほうまでゾクゾクしてドキドキした。
「今夜は約束どおり、全身舐めるだけだ」
「ひゃぃ……」
キスをしすぎて口がうまく動かない。そのせいで変な返事になった俺に、藤也 さんはまたキスをした。そのまま乳首とかお腹とかにキスをして、俺のちんこにもキスをした。
「ひゃっ!?」
慌てて足を閉じようとしたけど、両足を掴まれて閉じられない。そのまま先っぽにチュッチュッてキスをされて、タマにもキスをされた。最後はちんこを食べられてしまった。
そこからはわけがわからなくなった。ちんこが気持ちいいことはわかるけど、何をされているのかよくわからない。それに、ちんこと一緒にお尻もいじられて余計にわからなくなった。
そのまま全身が気持ちよくなった俺は、頭までグルグルしてきてブワッと弾け飛んだ。全身がフワフワになって、気がついたら眠ってしまっていた。
目が覚めたら藤也 さんの部屋だった。藤也 さんはもう起きていて、部屋には誰もいない。
(……そっか。俺、藤也 さんと練習、したんだ)
ぼんやりと昨日のことを思い出す。気持ちよくて大変だったけど、まだ練習には続きがある。それを今日から始めるってことだ。
(藤也 さんのすごく大きかったけど、入るかなぁ)
ぼんやりしながら、そんなことを思った。
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