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第21話 恋人の日常2
「蒼 は耳がいいから、語学はいけると思うんだがな」
「耳がいい?」
「おまえ、人の声を聞き分けるのが得意だろ。それに読むより聞くほうが覚えがいい」
そうなんだろうか。自分ではよくわからない。
「一度聞いた声、覚えてるよな?」
「……たぶん」
「それに物音にも敏感っぽいからな。おそらく耳がいいんだろう」
耳がいいって、いいことなんだろうか。もし藤也 さんの役に立つなら嬉しいんだけど。
「読み書きは後回しにして、暇なときに聞いてみろ」
「うん」
本屋さんで買った英語の本には英会話が聞けるものがついていた。それを藤也 さんが俺のスマホで聞けるようにしてくれた。英語と日本語が順番に聞けるから意味はわかるはずだって藤也 さんが言うってことは、たぶんそうなんだろう。明日から毎日聞くことにしよう。
英語の本と料理の本をテーブルの端っこに置いて、買ってきた雑誌を見ることにした。どこかな……あ、あった。藤也 さんのかっこいい写真が、今回は五枚もある。
「目の前に本物がいるのに、なんで写真をほしがるんだろうな」
また言われてしまった。
(それは、そうなんだろうけど)
本物もかっこいいけど、写真は本物とちょっと違っていてやっぱりかっこいい。だから何枚でもほしくなる。
隣に座っている藤也 さんを見て、雑誌の写真を見る。もう一度隣を見て、また雑誌を見た。どっちもかっこよくて、どっちかだけを見るのは難しい。そんなことをしていたら雑誌を取られてしまった。
「写真は終わりだ。今夜は本物のほうを見とけ」
本物が一番好きだけど写真も見たい。そう思って取り上げられた雑誌を目で追っていたら「蒼 」って名前を呼ばれた。顔を上げるとチュウってキスをされる。
「ここからは恋人の時間だ」
(恋人の、時間)
カァッて顔が熱くなった。もう何回も恋人の時間をやっているのに、やっぱり照れくさくなる。前は練習をするぞって言われても平気だったのに、恋人の時間だって言われるだけで顔が熱くなる。
(違う、顔だけじゃない)
体も熱くなるし、ちんこもお尻もジンジンしてきた。
「ここでスるか?」
慌てて首を横に振った。ソファでしたら、ソファに座るたびに思い出してしまう。前にソファでしたときも何回も思い出して大変だったんだ。
「あの、ベッドが、いい」
「仰せのままに」
かっこよく笑った藤也 さんが、俺をひょいって抱き上げた。あんまり簡単に抱き上げられると、さすがにちょっと微妙な気持ちになる。
(ちょっとは太ったと思うんだけどな)
藤也 さんが作ってくれるご飯をたくさん食べているから、前よりもずっと太った。それなのにこんなに簡単に持ち上げられるなんて、俺はまだ子どもなんだって言われているような気がして複雑な気分になる。
(早く大人になりたいのに)
年齢だけじゃなくて、早く本当の大人になりたい。大人になって藤也 さんの役に立ちたい。
「まだまだ軽いな」
藤也 さんは俺が思っていることは何でもわかる。だから「軽い」って言ったんだろうけど、やっぱり複雑な気分になった。
「ちょっとは、太ったと思う」
「そうか? たしかに肋 は消えたがまだまだだろ」
「……」
「おー、一丁前に膨れっ面か」
「違う、けど」
「おまえ、まだ魚嫌いだからなぁ」
「もう、嫌いじゃない」
「うなぎは好きだな」
「……あなごも食べる」
「どっちもタレが好きなだけじゃねぇか」
そう言って藤也 さんが笑った。だって甘辛いタレはおいしいし、あれならたくさん食べられるんだ。
「……そのうち、もっと大きくなる」
「無理はしなくていいさ。俺は小柄で可愛い蒼 も好きだしな」
藤也 さんに好きって言われて、もっと顔が熱くなった。
「さて、熱々になった蒼 を美味しくいただくとするか」
ポフンってベッドに置かれた。かっこいい藤也 さんが俺の上に乗ってチュウってキスをする。俺はもっとキスがしたくて、大きな体にぎゅうって抱きついた。
何度もチュッてキスをする。いつもはすごく上を向かないとできないけど、いまは膝の上に座っているから藤也 さんの口がちょっとだけ下にある。だから、いつもよりたくさんキスができるのが嬉しい。
一番嬉しいのは、こうやって両手でほっぺたを触りながらキスができることだ。立ったままだと肩にしがみつくのが精一杯で、ほっぺたに触ることなんてできない。
(それに、かっこいい顔にいっぱい触れるし)
藤也 さんが好きって思いながら、いっぱいいっぱいキスをする。
「……っ」
急に藤也 さんが動いたから口が離れそうになった。それでもキスをしていたくて必死に口をくっつけた。
「……んっ」
また藤也 さんが動いた。大きいちんこが奥に当たって、今度こそ口が離れてしまった。
「ふぁ、ぁ」
「蒼 はキスが好きだなぁ」
「好き、藤也 さんとキス、するの好き」
「キスとペニス、どっちが好きだ?」
「ひゃ、ぁあ!」
腰を掴まれて、奥にドチュンってちんこがぶつかった。そこにぶつかると変な声が勝手に出てしまう。いつもの声と違って高くて掠れて変な声なのに、藤也 さんはそんな俺の声も好きだって言ってくれた。そんなことを言われたら、恥ずかしいのに嬉しくて変な声がどんどん出てしまう。
「ほら、キスとペニス、どっちが好きなんだ?」
「ひぁっ、ぁっ、そこ、いぃ、気持ちいい、奥、ごちゅって、気持ちいぃっ」
「ってことは、ペニスが好きか」
「んぁ! キス、キスも好き、好き、す、きぃっ」
「ハハ、本当にエロくなったなぁ」
奥のほうをドチュドチュされると、お腹の奥がジンジンして気持ちがいい。ここよりもっと奥にちんこが入ると、もっと気持ちいいってことも知っている。
前に一回だけ、お仕置きのときにお腹の奥に入れられたことがあった。あのときは気持ちよすぎて途中から怖くなった。だって、頭がおかしくなって爆発するんじゃないかと思ったんだ。体もバカになったみたいにずっとビクビクしていた。俺のちんこからは何も出ていなかったのにずっと気持ちよかった。
あのとき藤也 さんは「そのうちシオも吹けそうだな」って言った。シオが何かはわからないけど、シオを吹くともっと気持ちがいいってことは教えてもらった。
(いつ、シオが吹けるのかな)
気持ちよすぎるのは怖い。でも、藤也 さんともっと気持ちよくなりたい。藤也 さんにもっと気持ちよくなってほしい。俺の体でもっともっと気持ちよくなってほしい。
(綺麗な女の人がいても、俺のほうがいいって思うくらい、気持ちよくなってほしい)
そう思ったら、お腹の奥がきゅううって動いた。
「く……ッ。ほんと、エロくなったもんだ。俺のザーメン搾り取ろうって、一生懸命なところも可愛いじゃねぇか」
「ふや、あ、ぁ……!」
「おーおー、奥がチュウチュウ吸いついてるぞ?」
(だって、藤也 さんのザーメン、ほしいって思ったから)
そんなことを思ってしまう俺は変なのかもしれない。でも、こんな俺だって藤也 さんは可愛いって言ってくれるんだ。
「藤也 さんの、ほしぃ。俺の、んっ、奥に、ぁっ、奥、ほし、」
「こら、無駄に煽るな」
「だって、ほし、からっ。ト、ヤさ、の、ザーメ、ン、おくに、おく、ぁあんっ! んっ、ぉく、きもち、そこ、きもひぃ、いぃ、おく、いぃ……!」
「……ッ、予想以上に、俺好みになったな……っと。ほら、もっとほしがってみせろ」
また奥にドチュンってちんこがぶつかった。ぶつかったところがグニュグニュして、もっともっとって言っているみたいだ。あと少し先っぽが強くぶつかったら、きっとあの怖いくらい気持ちがいいところに入ってしまう。
そう思っただけでどんどん気持ちよくなった。手前のところもゾクゾクして体がヒクヒク震えるくらい気持ちいい。気持ちがよくて、早く藤也 さんに出してほしくてたまらなくなる。
俺はぎゅうって抱きつきながら必死にお尻とお腹に力を入れた。そうしたら藤也 さんが気持ちよくなるって知っているから。それに俺も気持ちがいい。
「そこ、きもちぃぃ、からぁ! そこに、ほしぃ、いっぱい出し、てっ」
「何がほしいんだ?」
「とぅやさん、のっ、ザーメン、ザーメンっ。いっぱい、ほし、っ」
「どこにほしい?」
「ザーメンっ、ぉれの、おなか、ケツマンコに、ぁっ! ぉまんこ、おくに、ザーメン、いっぱい、ちょうら、ぃ……っ」
「いい子だ。ほらっ、おまえも、イけ……ッ」
奥に勢いよくちんこがぶつかって、グリグリグリってねじ込まれた。すぐに目の前がチカチカしてきて体がぎゅうってなる。ゾクンゾクンするのがお腹から体中に広がって目の前がパチパチしてきた。気持ちがよくて、あっという間に頭がバカになる。
気がついたら倒れそうなくらい背中が反り返っていた。藤也 さんが抱きしめてくれなかったら倒れていたかもしれない。
「あ……ぁ……」
お腹の奥で大きなちんこがドクドク動いている。ドクドクしているってことは、いっぱいザーメンが出ているってことだ。でも、それはゴムの中で俺の中じゃない。
いつか俺の中にも出してほしい。そんなことを思ったら、お腹の奥がもっとヒクヒクした。
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