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第12話 もったいないって、なんだよ < Side 礼鸞
ぬめぬめとした熱い感触が、オレの股間を這っていた。
「お前なぁ……」
ふあぁっと欠伸が口を衝く。
のっそりと上体を起こしたオレの目には、股間に顔を埋めるタマの後頭部が映る。
毎度のコトだった。
タマのために動いたオレに、翌朝こうしてお礼をしに来る。
この時間、家の人間が来ないのは、ポチが気を利かせ、寄せつけないように計らっているからだろう。
昨日の件は、厳密にはタマが騙されたわけではなく、一緒に働く仲間が掴まされたのだろうと推測できた。
タマは、そんな腑抜けではないし、どちらかといえば、聡 い方だ。
オレの身体目当てに、騙されたヤツから偽金を買い取り、仕返しを頼みに来たのだろう。
「金は、まだだぞ」
偽金男に、100万を用意させたのは、タマや騙された奴らに戻すため。
「ん、わはってる」
オレのペニスに舌を絡めながら、咥え込んだままに返事をするタマに、もぞもぞと蠢く頭をくしゃりと混ぜた。
「なら、放せよ」
金も返ってきていないのに、お礼もくそもない。
じゅるっと音を立て唇を離したタマは、支えるために添えていた手で、オレのペニスを緩く扱く。
「もったいないじゃん。せっかく元気なのに」
ねぇ? と、ペニスに話しかけつつ、親指で先端をぐりぐりと可愛がってくるタマ。
朝の勃起は、生理現象だ。
もったいないって、なんだよ……。
溢れるカウパーを塗り伸ばしながら、巧みにオレを攻めてくるタマの手に、ぞわぞわとした痺れが腰を震わせる。
「鸞ちゃんも僕も気持ち良くなれるんだから、いいじゃん」
唾液とカウパーで濡れた唇を舐めずったタマは、準備完了とでもいいたげにオレのペニスを一撫でした。
立ち膝で起立を跨いだタマは、挑発するように瞳を細め、艶やかに笑む。
普段の可愛らしい姿からは想像できない色気を纏ったタマは、耐性のない男ならば簡単に撃ち落とせるくらいには色っぽい。
オレの首に腕を回したタマは、興奮を見せつけるかのように腰を燻らせ、起立し涎を垂らす自分のイチモツを揺する。
ここまでくれば、もう抱く以外に選択肢はない。
妖艶に揺らぐタマの腰を引き寄せ、孔に指先を忍ばせた。
仕込んできたのであろうローションが、くちゅりと音を立て、オレの指先をとろりと濡らす。
指先に沿わせるようにペニスを宛がい、媚びてくる孔の中へと捩じ込んでいく。
「ん…………はぁ…、あ…」
ずぶずぶと飲み込まれていくオレの雄芯は、うねり甘えてくる襞に、これでもかと可愛がられる。
進むほどに狭くなる孔を、軽く小突きながら、押し開いていく。
「ねぇ。昨日拾ったコ、食べたの?」
鸞ちゃんコトだから、拾ってきたんでしょ? と、ゆるゆると腰を落とし込みながら、問うてくるタマに、なんでもお見通しかよ…と、俺は動きを止めた。
「食べるために拾った訳じゃねぇよ」
もっと気持ち良くさせろと、きゅうっとオレを締めつけてくるタマの肉壺に、意地悪をするようにその尻を持ち上げ、半分ほど引き抜いた。
「男で抱くのは、お前だけだ。…抱くってよりオレの方が食われてる感じだけどな」
出会った時、タマとこんな関係になるとは、微塵も思ってもいなかった。
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