53 / 160
第53話 鬩ぎ合う理性と本能
獣が交尾をするように、背後から覆い被さられ、前に逃げたくとも、ベッドヘッドが檻のように僕の行く手を阻んだ。
ごつごつとしたイボのついたペニスサックで嵩増しした肉棒で、奥の口を抉じ開けられた。
「ぁ、…ぐ……」
ずんっと後ろから突き穿たれる度に、両手が繋がれているベツドヘッドの柵に、頭をぶつける。
何度も打ちつけられた頭は熱を持ち、意識をぼやけさせる。
「これ、凄いよな。イイトコロ、抉られて気持ちいいんだろ?」
短いストロークで細かに擦られ、押し潰される痺れに、腿が震えた。
快感に抗うように首を振るおうとする僕の髪が、遠慮のない力で掴まれる。
ぐっと頭を引き上げられ、喉奥で笑う嫌味な音が耳許で響く。
「嘘吐くな。お前のエロ孔、痙攣してんだよ」
「………ぁん、く…っ」
ねっとりと掻き混ぜるように腰を回され、爪先がきゅうっと丸まった。
びゅくりと弾けた精液がシーツを濡らす。
「イキまくりじゃねぇか。だらしねぇなぁ」
背後から回された館野の手がイったばかりのペニスを掴み、吐き出された残滓を塗り伸ばすように、尿道口をぐにぐにと刺激してくる。
「ん……、んっ、ん………」
擽ったくもある痺れが、ぞわぞわと身体を這っていく。
「潮吹き出来んだろ? もっと楽しませろよ」
ずるっと半分ほど引き抜かれたペニスが、角度を変え、再び肉襞を掻き分け押し入ってくる。
肉棒でごりごりと前立腺を潰されながら、優しくない手つきで先端を捏ね回され、僕の股間が決壊する。
ぴしゃりと放たれた潮に、館野は面白がるように何度も奥を穿ってくる。
「ははっ。ぶっ壊れてんな……」
びしゃびしゃと体液を撒き散らす僕のペニスを弾くように弄られ、腰が跳ねる。
「ん……、んんッ…」
僕の意思の外側で、身体がびくびくと引き攣り揺らぐ。
「あー、射精 そう……」
指先が食い込むほどの力で尻の肉を両手で掴んだ館野は、そこを割り開き、奥までペニスを捩じ込んでくる。
「エっ、ロ………」
うねうねと蠢き、館野のペニスを食む孔に視線を感じ、肌が羞恥に焦がされる。
悔しくて、恥ずかしくて…でも、逃がしきれない快感に、神経が侵食される。
更なる興奮を求める身体は、もっと寄越せと、館野に媚を売る。
腹に感じる熱い飛沫に、ぶるりと背が震え、脳が昇天する。
明滅する意識の中で、長い間、身体を貪られ続けた。
ともだちにシェアしよう!