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第78話 謎なんだよね

 何発放ったか、定かじゃない。  腹が膨れるほどではないにしろ、オレのペニスを咥える赤く充血した孔から、隙間を縫い、白い粘液がとろりと押し出されてくる程度には、犯し続けた。  さすがに萎み始めた陰嚢に、ペニスをずるりと引き抜いた。  くぱぁっと開いたまま天井を向く孔から、重力に逆らい、ぐぷりと濁った粘液が溢れる。  適当に放ってあったタマの下着を手に取り、孔に押し当てた。 「ちょっ。また、帰りノーパンになるじゃんっ」  下着で、溢れてくる精液を塞き止めるオレに、タマの文句が降ってくる。  最初に履いたままで一発放っているのだから、塞ぎ止めるために使わなくとも、下着はぐしょ濡れで、使い物にならない。  それに。 「お前が、全部寄越せって言ったんだろ」  用意周到にセックスに及んだ訳じゃない。  じんわりと蔓延った淫靡な空気に誘われるままに致したのだから、手短にあるもので、どうにかするしかない。 「こうなるってわかってただろうが。…てか、ここに住んじまえばいいだろ」  着替えがないと喚くタマに、オレはいつものように、ここに居ればいいと言葉を返した。  下着を押し当てたままに、タマの身体を担ぐように持ち上げる。  バスルームへと向かうオレに、タマの不機嫌な声が落ちてくる。 「比留間の人間だと思われるとイイコトもあるけど、他の奴らのネタ、仕入れにくくなるんだよ」  はあっと溜め息を吐いたタマは、抵抗するのも面倒だと、オレの首に腕を回し、抱き着き項垂れる。  のっそりと歩くオレの耳に、タマはぼそりと言葉を紡ぐ。 「サキ…、探り入れておいた方がいいかもよ? あいつの周り、なんかきな臭くなってきてるし」  スズシロのお守りをするのも大変だね、とタマは呆れ混じりの声が続いた。  バスルームの床へとタマを下ろす。  ぺたりと座り込んだタマは、不思議そうに首を傾げていた。 「なに?」 「サキが、なんで郭遥に近づくのか、本当、謎なんだよね」  問うオレの声に答えたタマは、三崎の気持ちの分析を始める。 「ちぃちゃんの周りのマダムたちにも気に入られてるから、たくさん貢がれてお金には困ってないでしょ? それに、けっこうモテてるみたいだから、セックスの相手にも不自由してないっぽいし……」  しゃがんだオレは、タマの上半身を覆っているシャツに手をかけ、万歳をさせ、それを引き抜く。

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