123 / 160

第123話 想像を絶する興奮

 唇で、舌で、粘膜で。  ねっとりとした熱い感触に擦られた俺のペニスは、じわじわと質量を増していった。  口腔内で育っていくペニスを喉の奥まで迎え入れようと飲む込むペケ。 「んくっ………ん、…」  顔を突き出し、角度を変え、懸命に咥え込もうとするも、身体は無意識に異物を吐き出そうと蠢く。  両手の自由が利かないマルの頭を、がっと掴んだ。 「手伝ってやるよ」  熱い吐息が、下腹部を擽る。  呼吸のために開いている空間へと、膨れる亀頭を捩じ込んだ。 「………っ、…っ」  声にならない悲鳴を上げたマルの顔が、苦しさに歪む。  俺は、お構いなしに、狭くなるそこに先端を擦りつけた。  ぐぷごぷと、粘っこいカウパーが溢れ出していた。  ぬるつく喉は、俺の動きを加速させる。  空気ではなく肉杭を捩じ込み、苦しさに痙攣する喉を味わうように腰を引く。  ほんの少しの隙間からでも酸素を取り込もうと足掻く身体を嘲笑いながら、再びそこに栓をする。  苦しさに浮かぶ涙が鼻水を誘引し、マルの顔は、ぐちゃぐちゃに汚れていく。 「っ……ぅ、……ぐっ…ぅ…………」  カウパーと涎を、ずぼずぼと出し入れを繰り返す俺のペニスが掻き混ぜる。  ぐちぐぽと汚い音を立て、泡立った体液が口端から溢れ落ちる。  さすがに萎えてしまったかと、革靴を纏う足でマルの股間を探った。  そこには、はっきりとした硬さが顕在していた。 「こんな扱いを受けても、興奮するんだね」  歪んだ顔から溢れる苦痛の隙間から、有り得ないはずの恍惚とした悦楽が滲み、漏れ出す。  堪らない……。  どくりと俺のペニスが跳ねた。  触れられない映像では得られない興奮が、俺の腹を熱くする。 「はっ………、くっ………」  荒くなる呼吸に、獣染みた吐息が零れる。  ぐちぐちと鳴る粘着質な水音も。  声にならないマルの悲鳴も。  俺の口から零れる獣の息も。  すべてが、想像を絶する興奮を産んだ。

ともだちにシェアしよう!