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第124話 命令を下す

 酸素を求めるマルの口が、空気ではなく俺のペニスを吸い込んでいく。  吸い上げ、搾り取られるような刺激が俺の腰を痺れさせる。  奥まで捩じ込んだペニスが震え、欲望が弾けた。  どろりと濃密な白濁が、マルの喉奥に流れ込む。  収めきれなかった精液が、ごぷりと音を立て、溢れた。  白い泡を吹く姿は、まるで溺れているかのようで、俺を苛む熱に引く気配はない。  どくり、どくり。  股間が、心臓が、脳が…、ずっと鳴き続けている。  ゆったりとした動きでマルの喉仏が上下し、俺が撒き散らした欲望が、じわじわと飲み込まれていく。  萎えそうもないペニスの上を、マルの真っ赤な舌が這う。  唾液とカウパーでぐっしょりと濡れたペニスが、マルの舌によって綺麗に拭き上げられていった。  うっとりとした表情で舐め上げているマルの腰が、はしたなく揺らぐ。  俺の靴底に硬く勃ちあがるペニスを擦りつけ、独り遊びに耽っているかのようなマルの姿に、ぞくぞくと痺れた身体が爪先に力をかける。 「………ぃ、…っ」  痛みに潤んでいく瞳とは対象的に、踏みつけているペニスは硬さを増した。  涙に溺れた瞳が、縋るように俺を見上げる。 「ぁ、……ぁ、イ、かせて…、イキ…た………っ」  ずびっと鼻を啜りながら、俺の足に擦り寄ってくる。  腹に渦巻く熱を発散させてやろうと、より強く踏みつける俺の足に、マルはぼろぼろと涙を零す。  イキそうなほどに震えているのに、マルの身体を蝕む熱は、吐き出される気配がなかった。 『最後に〝逝け〞って、命令すれば果てますから』  不意に、白藤の声が耳の奥で蘇った。  爪先でマルの股間を(にじ)り、口を開いた。 「逝け」  低く響いた俺の命令に、マルの身体が、ぶるりと震える。  俺の足が踏みつけ、皺の寄るハーフパンツが、じわりと色を変えた。

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