124 / 160
第124話 命令を下す
酸素を求めるマルの口が、空気ではなく俺のペニスを吸い込んでいく。
吸い上げ、搾り取られるような刺激が俺の腰を痺れさせる。
奥まで捩じ込んだペニスが震え、欲望が弾けた。
どろりと濃密な白濁が、マルの喉奥に流れ込む。
収めきれなかった精液が、ごぷりと音を立て、溢れた。
白い泡を吹く姿は、まるで溺れているかのようで、俺を苛む熱に引く気配はない。
どくり、どくり。
股間が、心臓が、脳が…、ずっと鳴き続けている。
ゆったりとした動きでマルの喉仏が上下し、俺が撒き散らした欲望が、じわじわと飲み込まれていく。
萎えそうもないペニスの上を、マルの真っ赤な舌が這う。
唾液とカウパーでぐっしょりと濡れたペニスが、マルの舌によって綺麗に拭き上げられていった。
うっとりとした表情で舐め上げているマルの腰が、はしたなく揺らぐ。
俺の靴底に硬く勃ちあがるペニスを擦りつけ、独り遊びに耽っているかのようなマルの姿に、ぞくぞくと痺れた身体が爪先に力をかける。
「………ぃ、…っ」
痛みに潤んでいく瞳とは対象的に、踏みつけているペニスは硬さを増した。
涙に溺れた瞳が、縋るように俺を見上げる。
「ぁ、……ぁ、イ、かせて…、イキ…た………っ」
ずびっと鼻を啜りながら、俺の足に擦り寄ってくる。
腹に渦巻く熱を発散させてやろうと、より強く踏みつける俺の足に、マルはぼろぼろと涙を零す。
イキそうなほどに震えているのに、マルの身体を蝕む熱は、吐き出される気配がなかった。
『最後に〝逝け〞って、命令すれば果てますから』
不意に、白藤の声が耳の奥で蘇った。
爪先でマルの股間を躙 り、口を開いた。
「逝け」
低く響いた俺の命令に、マルの身体が、ぶるりと震える。
俺の足が踏みつけ、皺の寄るハーフパンツが、じわりと色を変えた。
ともだちにシェアしよう!