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第五章 2 *R18

 浴槽に浸かると倒れる危険性があるので、とりあえずシャワーだけ。オレを丸い椅子に座らせ、手をあわあわにしている遙人が、後ろから頭と身体を洗う。 「ん……」  その洗い方が妙にエロくて。声が漏れてしまう。  胸の頂を爪が掠め、腹を撫でまわし淡い茂みの内にまで……。滑るような感触にその手が動く度、悶えてしまう。 「あ……んん……」  唇を噛みしめて声を出さないようにするが、どうしても零れ落ちてしまう。 「あんっ」  一際大きく声があがってしまったのは、反応し始めた昂りを軽く握ってシュッシュッと滑らせたからだ。 「なにも……しないって……」 「洗ってるだけですよ」  余裕そうに言っているが、さっきから背中に当たっているものがある。 「隅々まで綺麗に洗ってるだけ」  その声に意地の悪さが滲んできている。顔は見えないが、どんな表情をしているのか想像がつく。  ふるふるっと身体が震え、急速にそこに熱が集まり始める。逆に酔いのほうは、だいぶ冷めてきていた。頭がはっきりしてくると、悔しさが込みあげてきてオレは後ろ手に遙人の昂りを握った。 「詩雨さんっ」 「オレばっかじゃつまらないだろ」 「ふっ……嬉しいですね」  オレたちはまるでお互いの考えていることがわかったように、同時に手を離し立ちあがって向かい合った。それからどちらかともなく抱き合い、お互いの昂りに手を伸ばす。  そうしながら、遙人が少し顔を傾け唇を寄せてきた。合わさったかと思うと、すぐに抉じ開けられ舌を貪られる。激しい口づけに呼応して動かす手も激しくなる。  お互いの先走りでぐちゃぐちゃいう音が狭い浴室に反響して、オレの耳を犯していく。 「ぅ……ん……んっ」  唇は塞がれているのに、押さえ切れずに漏れる声。 (も……イク……っ) 「イクの? 詩雨さん」  不意に唇が解かれ遙人が問いかける。オレは声も出せず、こくこくと首を動かすばかり。 「いいよ、イッて。」  耳朶を甘噛みするような唇の動きに、オレはぶるっと身体を震わせ、遙人の掌に熱を吐きだした。 「詩雨。可愛い」  そして、遙人も。  オレは自分の手が熱い飛沫(しぶき)で濡れていくのを、愛おしげに掻き(いだ)かれながら感じていた。

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