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第六章 4 *R18
「さぁ、本番いきますか」
悪戯っ子のような妙に楽しげな声で言う。遙人はルームウェアのパンツに手をかけた。すっかり成熟した昂りが飛びだしてきて、ぶるんと震えた。
遙人は自分のそれにも潤滑剤を塗りたくった。その行為をオレに見せつける。次の行動は当然予想できてびびる。敏感になった身体にはキツすぎる。
「ハルっ。オレさっ、ちょっとムリじゃ」
「ごめんね、俺もう我慢の限界だから」
最後まで言わせても貰えなかった。
遙人はオレの両膝に手を宛がって大きく拡げ、己の長大なそれを後口に押しあてる。
我慢の限界と言っていたが、まだまだ余裕そうだ。オレを気遣いながら、ゆっくりとの内に入ってくる。
「は……ぁあ……」
少しの痛みと異物感と、全身がざわつくような快感。遙人が少しずつ進む度に吐息のような喘ぎが漏れる。身体の内側が酷く熱い。
「ハル……生で……」
内側の襞が包み込んで放さないモノの、その感触でわかる。
「うん。ごめん。今日は特別な日だから、いいでしょ? 詩雨」
いつもオレの身体優先で無理強いはしない。でも我慢できない日もあるらしい。年に数度。
今日はその日だ。
オレはこくこくと首を立てに振った。オレにもそんな日はある。熱い熱い遙人の感触をそのまま感じたい日が。不思議なことにそんな日は、大抵合致する。
遙人の進んだ先の、さっき指で触れた胡桃大の器官。そこを熱くて硬い昂りで数回優しく叩き、ぎゅうっと押しつけてくる。
「~~~~」
背筋を何回も電流が流れる感覚がし、全身が総毛立つ。ぐっと眼を閉じ、過ぎた快感に耐える。
はぁ……と遙人が熱い息を吐く。
「詩雨さんのなか気持ちい……。ここ、ずっと俺のだよね?」
「あ、たり……まえ……」
もう声を出すのも億劫なくらいに身体中が痺れ、わなないている。
「詩雨さん? どうしたの?」
「…………」
逸らすことのできない快感。ずっとずっとイッてるような。
「もしかして、中イキしてる? かーわいー」
(かわいー……言うな……)
それに興奮したのか、急に遙人が大きく動いた。入口までそれを引き抜き、パンと叩きつけるように奥を突く。それは次第に早くなり、オレを揺さぶる。
唐突に、くっ……と呻くような声が聞こえ、それと同時にオレの内に熱い液体が注ぎ込まれた。
眼が霞んで遙人の顔も不鮮明だ。
(あ……また、見れなかった……遙人のイキ顔)
遙人はオレよりもだいぶ耐久性があり、必ずオレが先にイカされ何もわからなくなる。オレで気持ち良くなっている顔を見たいと思っているのに。
遙人がオレの内に入ったまま、倒れ込んでくる。彼の重みをすべて感じた。その背に両腕をまわすと、タンクトップはぐっしょり濡れていた。
「詩雨……かわい……愛してる」
ちゅっちゅっと髪や頬、あちこちにキスを落とす。
「ハル……オレも……すき……」
「うん」
愛していると、なかなか言えない。そんなオレを、遙人はすべてわかってくれている。
じんわりと心が温かくなる、幸せな時間だった。
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