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第六章 1 *R18
──遙人が後ろから抱きしめながら、時間をかけてゆっくりと愛撫する。
胸の頂は片側だけを丹念に弄る。ゆるっと乳輪に沿って円を描き、乳首を摘まんでぐりぐりと捏ねる。時折きゅと摘まみあげる。
何度も繰り返す。そうすると、もう片方も焦れたようじんじんしてくる。こっちも触って欲しいと言っているかのように。
下着のなかに入った手は、やんわりと昂りを握っている。優しく上下に揺すったり、擦りあげたり。時々淡い茂みやふたつの珠をさわさわと撫ぜる。
ただただ甘く奉仕されている。
じわじわと鳥肌がたっていくような痺れが全身にまわり切ったというのに、優しすぎて何処かもどかしい。オレは自分の肉体 の奥が疼き始めるのを感じた。
「ん……ん……ぁあ……んん」
唇からは絶え間なく声が漏れ、頭も霞がかかったように何も考えられない。ただ欲だけでいっぱいになる。
「ハ……ル」
「なぁに?」
自分の昂りをオレの腰に押しつけながらも、まだ余裕そうな遙人。
「キス……して……?」
遙人の唇はもうずっとずっと項をさ迷っていた。
それはそれでいい。
でも、ちょっと淋しい……。
冷静な時には絶対言わないおねだりを口にする。
「…………」
ぴたっと遙人の動きが止まった。
「ハル……?」
「もう……っ。かわいーかーっ」
突然ぎゅぎゅーっと後ろからきつく抱きしめられた。
「!?!」
オレは吃驚して覚醒してしまった。今まで甘さに浸りきっていたのに、急にまた羞恥が甦る。
「がまんできないっ」
両膝の裏に腕を差し入れ、オレを持ちあげたまま、すくっと立ちあがる。
「ちょ、ハルっ」
(なにこれ~~っ)
上半身は遙人の身体に預け、前向き抱っこのような形で抱きあげられた。これはお姫様抱っこよりも更に恥ずかしい。
座った状態から抱っこしたまま立ちあがるとか、どんな怪力なんだ。
ベッドはすぐ脇にある。勢いで放り込まれると軽く身体が弾み、そこをたちまち遙人に捕らわれてしまう。
彼の重みをすべて受けとめる。さっきの焦れるくらいの優しさは何処へ行ってしまったのか。
「詩雨……キス、たくさんしてあげるね」
オレを見つめる欲を帯びた熱い眼差し。
髪を撫でながら唇を近づけ、ちゅっちゅっと軽いキスから始まる。それから何度も角度を変えながら、しっとりと押し包むような口づけへと変わる。
舌でちょろちょろと舐めたり、甘噛みしてみたり。それだけでオレはうっとりとしてしまった。
(遙人のキス……気持ちイイ)
冬馬としたほんの一瞬のキス。苦いファーストキスの想い出。遙人はその苦さを塗り替えていったのだ。
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