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第六章 2 *R18

「詩雨?──口開けて、舌出して」  いつの間にか離れて行った唇がそう動く。オレはそれをじっと見つめ、言われた通りに舌を出す。    遙人はオレの舌を軽く歯で捕らえると、咀嚼するように付け根のほうへと進んで行き、やがてすべて飲み込んでしまった。その行為がまるで彼に食べられているかのようでぞくぞくする。  遙人は自分の口のなかでひとしきりオレの舌を堪能した後、今度はオレの口内へと舌を滑り込ませる。歯列をなぞり、柔らかな頬の内側、口蓋を通って喉の奥まで、届く場所という場所を蹂躙していく。 「んーんー」  上手く呼吸もできず、開き加減の口の端からは唾液が滴り落ちていく。声を出そうにもままらず、眼をぎゅと閉じて、喉の奥を震わせるのが精一杯。  だんだん頭がぼうっとしてきて──。 (……ん……?)  突然下半身に、直に温かな風を感じた。ぱちっと眼を見開いて見ようとしても、遙人の身体が邪魔して見えない。  彼の背にまわしていた手を自分の下半身に伸ばす。いつの間にかルームウェアのパンツが下着ごと、オレのそれがすべて見えるところまで下げられていた。  それはいったんは萎えかけていたが、長いキスの間に再び擡げ始めていた。  繋いだままの唇が微かに笑ったような気がした。オレが今の状況を把握したことに、遙人が気がついたらしい。  半勃ちのそれを大きな手で包み込んだ。さっきよりも少し強めに愛撫する。先端の小さな穴を爪の先で引っ掻き、棹を素早く擦る。急激に追いたてられる。 (……あぁ……)  声をあげて逸らすこともできず、唇で蓋をされてしまった快感が、出口を求め、身体中をぐうるりと巡っている。  長く気持ちの良い口づけを充分にして、もう頃合いだろうと遙人はゆっくりと口内から去っていく。ふたりの唇が名残惜しげに銀糸で繋がっている。  遙人はいったん止まって、オレの顎から口許のほくろにかけて、滴る唾液を舐めとった。 「他のところも、たくさんキスしてあげる」  そんな甘い言葉にオレは胸を震わせた。  温かく湿った舌で首筋から鎖骨までをなぞり、ルームウェアがたくしあげられた胸へと辿りつく。片側を乳輪ごと口に含み、舌先を尖らせ先端をちょろちょろ舐める。  オレの昂りに触れている手は、その間も器用に動いて愛撫を続ける。 「は……ぁぁ……ん! あぁ……っ!」  オレはもう我慢しない。遮るもののない唇から絶え間なく声が零れる。  唇は胸から離れ腹へと降り、臍の周りに啄むようなキスをして、それからもっと下方へ。両手でぐっと太腿を割る。  オレは雫が滴り始めたそこへの口づけを期待していた。  それを解っていながら、彼はそうしない。鼠径部に沿って舌を這わせ、立てた太腿の内側にキスをする。  

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