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第4話 葛城からの電話
アーサーはこちらに手を伸ばし、抱きついてくる。
ことを成したとはいえ、アーサーへ愛情が芽生えたわけではない。
形ばかりだがアーサーを一応抱きしめた。
「ホージョー、好きだよ。もっとしたい。」
アーサーが、俺の首元に頭をすり寄せてきた。
長いまつげが目につく。
対応に困っていると、電話が鳴った。
アーサーは大人しく抱きついてるだけだったので、電話に出た。
相手は、葛城真琴だった。
『宝城さん……すみません、急に電話しちゃって。』
「あ、いえ……。」
『体調、大丈夫ですか?』
今日は風邪という理由で休んでいた。
「ええ、なんとか……。」
『そんな時に……すみませんが……。俺……自分の前世を思い出しました。』
急展開に、心臓が止まりそうになる。
アーサーは、眠ったように目を閉じて静かに呼吸しているが、寝たふりかもしれない。
アーサーに不都合な話ならば、葛城に危険が及ぶ。
「あの!とても大事な話だから、わざわざ電話くれたんですよね。俺も、ちゃんと話は聞きたいんですけど、今お客さんが来てて……。面倒だと思うんですが、メッセージで,教えてくれますか?」
『……はい。わかりました。』
葛城は、落ち着いた声で返事をした。
あの異空間に来るくらいなんだ、もしかしたら葛城も……。
「……電話終わった……?」
アーサーが薄っすらと目を開ける。
「うん……。」
スマホを机に置いた。
「もっかいしようよ。」
電話のことは気にしていないようだ。
「……そうだね……。」
このまま気を逸らさせたい。
俺は、アーサーにキスをした。
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