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第5話 メリア星

2回戦目も終わり、アーサーもぐったりしたところでソファにそのまま寝かせ、薄手のブランケットをかけてやった。 飲み物を取ってくると言って、キッチンに行き、メッセージを見る。 『早速ですが、俺の前世の話です。 俺は、メリア星の勇者でした。 宝城さんも、メリアの勇者だったのではないですか? 宝城さんがアーサーに敗れた後、アーサーはメリアには関与せず、代わりに他のこども結社のメンバーが来ました。 どうやら、こども結社では、アーサーは格別に強くて賢いらしく、後から来たメンバーは、俺を含む勇者の後継者たちで倒せました。 故郷は、ちゃんと取り返しました。』 まさかの報告に、感情がついていかなかった。 俺の知らない間に、故郷は独立を保ち、後継者は育っていた。 喜ぶべきことだ…… だけど…… ソファを見る。 アーサーはいつの間にか眠ってしまったようだ。 それはあくまで、アーサーがすぐにメリア星を立ち去ったからだ。 アーサーがいる限り、何も油断はできない。 『色々教えてくれて、ありがとうございます。今、俺の近くにアーサーがいます。葛城さんのことを知られたくありません。隙を見て、連絡します。』 それだけ送った。

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