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第6話 夕食

前世の故郷が無事だったことで、罪悪感がなくなり、気持ちに気楽さが出てきた。 このまま、俺がアーサーと仲良くしていけば、地球の侵略はしないかもしれないのだ。 幸い、俺は今、好きな人も恋人もいない。 アーサーとは早速肉体関係も持ってしまった。 もう失うものはない。 ただ、できる限りアーサーのことや、こども結社のことは知りたい。 メリア星で戦ったときは何の情報もなかったため、ただただ一方的にやられた。 寿命は、圧倒的に俺の方が短そうだ。 今世も、後世に頑張ってもらえるように俺のできることをやるしかない。 すでに夜になっていた。 「アーサー……裸のままだと、風邪をひくよ。」 アーサーを揺さぶって起こす。 「……うーん……。」 アーサーは寝返りをうって、起きなかった。 体は青年だが、寝顔は少年のようにあどけない。 黙っていれば、ただの美少年なのに……。 むやみに出かけて、騒動になるのは避けたい。 俺は夕食の準備に取り掛かった。 「アーサー……ごはんできたけど……食べる?」 メリア星の時、アーサーは、巨大な宇宙船を山と一体化させ、そこを侵略の拠点にした。 麓の村を取り込み、そこの村人を奴隷にしながら物資の補給をしていた。 その中に食料もあったから、食事はするはずだ。 「……ごはん……食べる……。」 アーサーはゆっくり起き上がった。 寝癖がついている。 アーサーはソファの背もたれにかけていた服をきて、イスに座った。 夕飯は、カレーだ。 「カレーだけど、食べれるの?」 アーサーは頷いた。 寝ぼけているようだ。 俺はカレーを食べ始めた。 アーサーもスプーンでカレーをちょんちょんとつついたあと、一口食べた。 俺が食べ終わる頃、アーサーは半分も食べていなかった。 「……おいしくなかった?」 「ううん。あんまり、食べれないんだ。大飯ぐらいだと、わざわざ愛玩人間を作ったのに、意味ないからね。」 愛玩人間…… 嫌な想像が出て来る。 目的を持って人を作る。 アーサーや結社について聞こうと決めたのに、質問する勇気がなかった。 「せっかく作ってくれたのに、ごめんね。これから、盛る時は自分でやるよ。」 アーサーは、これから長く一緒に生活する気満々だ。

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