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第4話
「俺含めて、ここには5人のメンバーがいた。
個性が強くてな。1人目はおねぇの美人。
2人目は無駄に元気。3人目は常に寝ていて、
4人目はまったく話さない」
これ。悩み相談なのでは。薫は思った。
「愚痴ではありません。昔話では」
「煩せぇよ」
薫が淹れた、まだ少し残っていたミントティーを団長が飲みほした。眉間に皺を寄せる。スースーするのが苦手なのだろうか。少し可愛いような気がする。
「もしかして、ミント苦手ですか?」
「そんなわけねぇだろ。黙って聞け」
「すみません」
「俺が追い出した。全員を巻き込みたくなくて、酷い言葉を言った奴もいる。脅した奴もいる。この国がここまで駄目になったのは俺のせいだ」
「駄目とは」
「獣国は今や鎖国状態。国を魔法でバリアを貼り、隠している。俺は他国と交流し、異文化を取り入れるべきだと思った。俺は負けた。今は名ばかりの騎士団長だ」
彼の話は色々抜けていてよく分からない。わたしはこの国のことをまったく知らないのだから。
「負けたと言いましたが、何対何で勝負したのですか?」
「何対何?」
「いや、あのつまり。相手が何人いて、団長さんの仲間は何人いたのか疑問に思いました」
「向こうは何人いたかなんて知らねぇ。
俺は1人だった。言っただろ巻き込みたくなくて、酷い言葉を言った奴。脅した奴もいるって」
なんの戦いだったのかは知らないけれど、薫は分かった事がある。
「貴方は馬鹿ですか」
「てめぇも俺を侮辱するのか。
まぁ良い。話は終わりだ。これやるから、とっとと出て行け」
何処から出したのか、黒いポンチョを薫の顔面に投げつけられた。急に体が浮き上がり、外に放り出されていた。
「また、わたしは言葉の順番を間違えてしまいました。ただ1人では無理でしょうと言いたかっただけなのに、他にも。追い出されたら仕方ありません。戸籍をどうにか確保しましょう。はっくしゅん」
外はかなり冷えていて、雪が降り始めていた。本格的につもる前になんとかしなければ。薫は前方に明かりが見えたので、灯りの見える場所に歩き始めた。
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