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第5話
造りの街。全ての建物が煉瓦で造られている。屋台もあるが、雪で流石に店仕舞いをしている。念の為に荷物を持ってきておいて良かった。街の人は薫をチラチラと見ている。白い色の髪にオッドアイなんて珍しいのかもしれない。このポンチョ。被れば本当に猫耳、猫の尻尾が生えた。あとは、戸籍。簡単に取れるようなものじゃないだろう。
思っていたのだが……。
テンプレのギルドなんて書かれた建物に入ってみた。何故か文字がアラビアン文字に似た字が日本語に変わった。受け付けカウンターにいた男に薫は声をかけた。言葉が通じるのは団長で検証済みだ。
「お金ですか」
「金がありゃあ、戸籍作ってやるよ。
そうですか。分かりました」
体格良いな。この店主。ゴリラかな。筋肉質な体、顎髭。服がいまにもはち切れそう。力じゃ格闘技などはやっているけれどかなわないだろう。
「おい、親父。不味いスープなんとかしろ」
客の1人が皿をバンとカウンターに置き、スープがカウンターに少し飛んだ。色に薫は驚愕した。スープの色は青。もっとも人間が嫌悪する色。でも今は映える料理で青色を使ったりするけど、異世界にもあるのだろうか。映える料理。
「一口いいでしょうか」
「おっおう」
戸惑いながら許可も出たので、人差し指に少しつけて舐める。、辛い。辛さしかない。なんだこれ。スープというより例えるなら激辛デスソースを飲んでいるみたいだ。客に出す料理ではない。具材はよく分からないけど、じゃがいもに似た野菜や人参に似た野菜が入っている。ならやる事は1つ。
「少々、お待ちください。店主。厨房をお借りします」
「……好きに使え……」
奥の厨房を借り、薫は青いスープの鍋を開けた。
「よし。辛さはもういらない。スパイスをいくつか足してカレーにしよう」
薫は鞄からいつも持ち歩いている調味料セットを取り出した。
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