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第13話

 薫は怒鳴り声がないことを確認してから、温かい食べ物。スープ、カレー、シチュー、あとは鍋。グラタン、うどん。雑炊。リゾット、ラーメン。シュクメルリ、おでん。温かい食べ物でゲシュタルト崩壊しそう。 「調味料を見てから考えよう」 リュックから様々な調味料。スパイス。包丁セット。ぼろぼろのレシピノート。本。 「本。こんな本はわたしのリュックには入っていなかったはず……」  本を開いてみたら、突然眼帯を付けたハシビロコウが現れた。薫のことをただ見つめるだけ、どうしたら良いか分からない。羽の中から小さなうさぎが出てきた。 「コンニチハ」 「獣人の国。うさぎも喋るか。こんにちは」 「マキコミ、ゴメン。カミサマ。ボクヲキミニ。  コノコモ。ナマエツケテ。コトバ。キチントハナセル。ナル」 「名前。名前。ハシビロコウが、コウ。うさぎは白いからシロ」 かなり適当。薫は人の名前を覚えるのが苦手だ。また2匹が光、ハシビロコウが消えた。うさぎだけが残った。 「適当だねぇ。まったく。ボクは神の神獣。神様に遣わされてこの世界を「後でいいですか?話しは聞きますから、仲直りは鍋が良いですか」知らないよ。分かった。話出来るなら本を開いて。バイバイ」 うさぎも消えたので、薫は本を閉じた。 「無駄な時間でした。激辛鍋にしよう。  ぷるぷるした黄色食べ物も。巻き込まれたか。  行く予定だった学校で行われた何かに巻き込まれたのかな。それとも」 憎んでいる父親がらみの。考えはやめよう。薫は鍋作りに集中することにした。

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