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第17話

ジキルとジェリーが、お風呂から出て来た。風呂は外にあるからと薫に、コートそれから2人の下着は大きいので、バスローブを借す。言われたけれど。 「1日ぐらい下着を着回しても大丈夫です」 薫は断った。ジェリーが明日3人で下着を買いに行来ましょうと言った。お金はジキルが出してくれるらしい。選んで貰うのは恥ずかしいからお断りさせてもらおう。 「檜のお風呂。良い匂い。  お風呂だけは綺麗にしてるみたい」 水垢すら見つからない。お湯は何処から。いいか。入ろう。後でジキルかジェリーに聞けば良い。薫は服を脱いだ。体は打撲や火傷。切り傷がたくさんあった。全て母親にされたものだ。見られたくなかったわけじゃない。見た方が不愉快な思いをしてしまうのが嫌だったのだ。 「カオル。タオル」 「ジェリー」 薫はタオルを借りるのを忘れてた。ノックはして欲しい。見られてしまったのならしょうがない。謝罪しよう。 「醜い物を見せて、ごめんなさい。  見なかったことにしてくれますか?」 「えっええ。オレこそごめん。傷は」 「前に母に。醜いでしょう。見た人全員が気持ち悪いって言いましたから。ごめんなさい。  どうか、忘れてください。お風呂。入浴させて貰います。失礼します」  ジェリーを脱衣所から追い出したものの、薫はその場にしゃがみ込んだ。 「油断し過ぎですよ。わたし。  ここに来てから失態ばかりしっかりしなければ」  薫は立ち上がり浴室に入り湯に浸かった。さっきまでの申し訳ない気持ちを隠すように、湯を頭からかけた。

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