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第34話

笑っている。人はこんなに大笑い出来るのか。薫は内心驚ろいていた。リーブが何を言って彼が笑っているのか想像出来ない。 「凄いですね。わたしには誰かを笑わせるなんて一緒出来ません」 「アナタ。あいつそっくりですね。  約束。約束を守る男ですので。  ここは、その、あいつに頼まれて。  ワタシが任されていた神殿でありまして」 「貴方がここからわたし達を出すことが出来る。  そう考えて差し支えないでしょうか」 彼は大笑いした表情から、気持ち悪いものを見るような目で薫を凝視した。彼は感情が顔に出るから分かりやすい。その顔で気持ち悪い敬語使うなよ。表情で言っている。 「分かりやすいですね。すいません。  わたしは敬語でしか話せませんから」 「失礼。よく言われるんですよ。分かりやすいって。正解にはしてたが、正しいですね。はい。  油断して奪われてしまったのでね。鍵を」 奪われた。言葉が出た瞬間。リュックに入っていた本が飛び出した。 「本当に言ってるのか」 本から勝手に出てきたシロにせっかく隠していたのに努力が水の泡じゃないか。勝手にこんな風に出たり出来るなら、本を紐か何かで縛った方がいいかもしれない。本気で思っていた。 「かっカオル」 「何ですか?」 「彼は誰と話しているのですか?」 「見えてないのですか」 「1人で話してるようにしか見えないけど。  なにかいるの?」 「いえ。どうしたのでしょうね」 見えてないなら見えてないな。言って欲しかった。リーブには本のことはまだバレていない。薫は安堵のため息をついた。

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