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第35話

side神官 聖女様。罪だらけの神殿に現れた。聖女なんてこの神殿にいる者たちは誰も見たことがない。余計に新人神官であるぼくには荷が重い。聖女はこの地では神聖なもの。罪を神は見ていたのだ。美しい桜色の長い髪の女性が聖女以外の何者でもないはずだ。 この神殿は町の中で1番腐っている神殿。最初の神官長は女好きだった。ただの女好きではない。かなりの女好き。子供から熟女。赤子まで。気に入った女性は閉じ込めた。赤子は成長してから体の関係を強要した。拒絶しても無理やり抱いて、閉じ込めた。神殿しか知らない女性は何人もいた。神官長が死んだ。死因は言いたくもない。誰もが想像出来るような死因だった。腹をくだして死んだ。次の神官長は真逆男好きの変態。変態は前と変わらない。最初の神官長と好みは同じ性別が違うだけ。男を抱いてとっかえひっかえ。どうして、まともな神官長が来ないのか。疑問に思う者はもういない。おこぼれという名の快楽を与えられた者はそう簡単に抜け出せない。 次はおれの番だ。 ならいっそ、この聖女と従者2人にかけてみる。新人神官なら余計なことを言わないからと案内を申し出れば、なんとかなるかもしれない。 男を抱くなんて嫌だ。幼馴染の彼女がいる。チャンスは一度切り。やり遂げなければ。

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