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第42話
植物が占領していた神殿から植物が消えた。さっきまで足も踏み場もないほど、植物が占領していたのに。
「あなた方。何者ですか」
ジキル、ジェリー、スノーは疑われていた。それはそうだ。3人が来た途端に植物が神殿に現れた。疑われて当たり前だ。
「これも計算ですか。団長」
「してねぇ」
「あっ、戻った」
「今はいいだろうが。どうするかな。1回使うと体力、気力がきつい。
筋トレしねぇとな。最近サボっていたからな」
「筋トレとかで何とかなるものか。分からないけど。どうする」
「どうするって。この匂いは、カオル」
ジキルが背後をばっと振り返る。
「匂いで分かるのかよ」
スノーもツッコミながらジキルと一緒に振り返る。2人でも分かる雰囲気がカオルと違いすぎる。ジェリーも変な気配を感じたのか振り返る。3人にカオルなら絶対にしない表情をした。
「はじめまして皆さま」
「カオルが」
「あのカオルが」
「笑うわけねぇだろ。誰だありゃ」
最後に彼らを疑っていた神官が、地下に連れて行った綺麗な男。口走り自分で自分の口を押さえた。3人にはばっちり聞こえていた。
「わたしの要求を聞いてもらう。
知り合いの人には申し訳ないわ。でも彼弱っているし。休ませるには良いわよね。さてと要求は1つ。神殿にいる人を全員連れてくるのよ。
地下迷宮最下層で待ってるわ。それまで誰も出られないわ」
薫の体を借りた何者かは姿を消した。
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