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ー友情ー47
そう、雄介が答えると、刑事たちは病室を出て行くのだ。
そして、その話を初めて聞いた和也は雄介の側へとやって来て、
「え? え!? お前は、本当にそれでいいのか!?」
「ええんやって……。 坂本はホンマはいい奴だって、この俺が一番知っとる訳やしな。 もし、坂本が俺のこと、本気で殺すつもりやったら、昨日、アイツの家行った時に俺の方に普通は包丁向けるやろ? そうやなくて、アイツは自分の方に包丁を向けて自殺しようとしてたんやからな……それに俺が刺されても無視なんかせんで、救急車とパトカー呼んだのはアイツなんやろ? 俺のこと、本気で殺す気だったら、普通、救急車もパトカーも呼ばへんやろなぁ?」
「あぁ! 確かにっ!!」
雄介のその言葉に納得したのか、望と和也はほぼ同時に同じ言葉を発し、顔を見合わせる。
「ま、そういう事や。 ほなら、今日はもう疲れたし、俺は寝るな」
「ああ、うん……」
望は雄介にそう返事をすると、今度は和也の方へと向き、
「じゃあ、俺達も行こうか?」
「ああ、そうだな……」
そして、この件に関しては一件落着するのだった。
和也と望は部屋へと戻ると、
「しかし、こんな展開になるとは思わなかったぜ」
「……そうだな。 まぁ、でも、俺は昨日の時点で知ってたけどな」
「え? そうだったのか!?」
「ああ、そう雄介さ、昨日そう俺に話してたんだけど、ほら、俺は刑事じゃないじゃん……だから、その話は刑事さんに言ってくれって言っておいたんだよ」
「そうだったんだ。 ま、恋人も大事なんだけど……親友も大事って事なんだな。 な、望……俺達って親友だよな?」
「そうだな……ま、俺からしてみたら、和也は最高のパートナーかな?」
「俺だって、望がいなきゃダメなんだからさ」
「ま、これからもお互い頑張って行こうぜ!」
望にしては珍しく和也に向かい手を差し伸べると、和也の方も、
「ああ」
と返事をし、望の手を取るのだ。 どうやらこちらも友情を取り戻す事が出来たようだ。
それからしばらくして、雄介はかなり早いスピードで回復の兆しを見せ、望が回診に向かうと、
「先生……俺、今日は久しぶりに外行きたいんやけどな?」
「ああ、まぁ、それくらいは許可かな? 完全に傷の方は塞がってるからな」
それを察した和也は雄介の為に車椅子を用意してきて、それをさり気なく望へと渡す。
「ほら、二人だけで外に行って来いよ……後の事は俺がやっといてやるからさ」
そう言って雄介の体を支えると、車椅子の方へと誘導し、望の背中を優しく叩く和也。
「え? あ、ありがとうな」
そう和也に向かってお礼を言うと、今度は雄介の方に顔を向き直し、
「んじゃあ、行きますか!」
望は和也に後の事は任せて、病院内にある中庭へと向かう雄介と望。
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