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ー記憶ー15

 これで雄介と会えない日々が続いてしまうということだろう。  そう思うと体からは力が抜け、憂鬱な気分になるに決まっている。 そしてそのことで何もかもやる気さえもなくなってしまっている望。  望は最初、雄介のことは好きではなかった。 だが気づいた時にはもう気になる人物となっていた。  今日は非番で、しかも恋人である雄介と非番の日が重なっていた日だ。 もし雄介がまだここに居たのならデートにでも行っていたのであろう。 だがもうここには雄介の姿はない。  もし雄介からお誘いがなくてただ単にまだ望一人でその時間を過ごしていたのなら、溜まっていた洗濯物や掃除をしていたのかもしれないのだが、雄介に会ってしまった事にプラスして雄介が帰ってしまった事で気分が落ち込んでしまい何もかもやる気を無くしてしまったという事だ。  それほど今の望にとって雄介の存在は大きいという事だろう。  フッと顔を上げると周りには昨日食べたコンビニの弁当のゴミもある。  それで余計に昨日の事を思い出してしまった望。 昨日は雄介とコンビニで大量に品物を買ってしまっていた。 今もまだ冷蔵庫の中にはその大量の品物が残っているだろう。 その大量の品物だって、望一人では食べきれないだろう。  一方、雄介の方は望の家を出てから一人電車に揺られて自宅へと戻っていた。  確かに雄介の家と望の家とではそんなに距離は離れていないのだが、一駅分は離れているのだから雄介は今電車に乗っているということだ。  雄介はさっき望に手紙を置いて来たのだが、今日の雄介というのは全くもって予定なんかない。 ただ昨日はあんな事があったから望の家には居られなかったっていう方が正解だ。 ただ手紙位は置いて行きたかった。 流石に黙って帰るのは失礼だと思ったからだ。

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