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ー記憶ー36

「な、望……その言葉を望から聞きたいねんけど? 昨日、電話で言ってたことを言って……」 「……え? あ……ここまだ人前だし……」 「そういう事って他の人は関係無いと思うねんけどな。 俺は望と何処におったって、そういう事は簡単に言えんで。 それと、望の口からもう一度言うてくれへんと不安で不安で仕方ないんやって。 お願いやから、もう一度だけ言うてくれたら、俺の方も安心するしな」  雄介はそう言いながら望のことを抱きしめている腕に力を込める。  望はその雄介の言葉に心を動かされたのか、大きく深呼吸をし心を落ち着かせると、 「ぁ……だからな……その……お前の温もりを……俺は……忘れたくないから……俺から離れないでずっと……側に居て欲しい……」  望にとってこんなことあまり言うことはなかったのか、今は完全に顔を赤くし俯けてしまっていた。 「ああ、うん……望の気持ち良く分かったわぁ。 俺の事、そないな風に思ってくれてありがとうな……」  雄介はそう嬉しそうに答えると、一旦望から体を離して自分の方へと向かせると頰を両手で包み込みそっと唇を重ねる。 「……ん」  望は雄介のペースに巻き込まれそうになったが、今はまだスーパーの駐車場だということを思い出したのか我に帰ると、 「雄……すけ……続きは家に帰ってからな……」  望の方もこのままで居たいのは山々なのだが、スーパーが開いてる時間だって限られている。 「スーパー閉まってしまうだろ? そしたら……その……お前が作ってくれた料理食べられなくなっちまうじゃんか……」 「あー……せやったな……」  雄介は望から離れて最後にもう一度望にキスをすると車を降りて行く。 「んー……ほな、行こか!」

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