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ー記憶ー37

 雄介は車から降りると、いつものように伸びをする。 「ああ、そうだな……」  そう答えてみるものの、今の出来事は未だに心に残っているのか、望は未だに顔を赤くしたまま車を降りていくのだ。  そして、スーパーへと入ると急に雄介の目は輝きだし、 「おっ! 今日は玉ねぎが安いやんか……ほな、今日は玉ねぎを使った料理に決まりやなっ!」  雄介はそういうお得な品物を見つけると籠の中へと入れていく。 しかもそのいくつもの商品がある中でいい物を選んでいるのか完全に品定めまでしてしまっていた。 そこは流石、自分で料理しているだけはあるのかもしれない。 「ま、とりあえず玉ねぎは安かったんやけど……二人分やし、二個位でええかな?」 「え? あ、ああ……うん……そうだな」  そう雄介は望に話を振ったのだが、料理の事に関してはサッパリな望はとりあえず相槌だけを打っているようだ。 「あー、玉ねぎかぁ? ほなら、野菜炒めかな?」 「え? あ、そうだな……」  再び雄介に料理の事に関して振られたのだが、望からしてみたら本当に全くもって料理の事に関しては全く分からないのだから、とりあえず頷いておく事にしたらしい。  その間にも雄介は次から次へと籠へと品物を入れているようなのだが、どうやら雄介の頭の中には買いたい物はあるようで、適当にという訳ではないようだ。 その今日使うであろう食材が籠の中へと入れているのだから。

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